空き家の相続税はいくら?基礎控除・計算例・使える特例を解説

空き家どうする

「親の家を相続したら、空き家でも相続税を払うの?」

実家が空き家になると、家の管理だけでなく税金も気になりますよね。特に、次のような疑問を持つ方は多いのではないでしょうか。

  • 空き家を相続したら、必ず相続税がかかるの?
  • 基礎控除はいくらで、実際の税額はどう計算するの?
  • 誰も住んでいない実家でも特例を使える?
  • 現金が少なくて相続税を払えない場合はどうする?

結論から言うと、空き家は相続財産に含まれますが、空き家を相続しただけで必ず相続税がかかるわけではありません。 相続税は、預貯金・株式・土地・建物などを合わせた財産全体と、法定相続人の人数、利用できる特例などによって決まります。

この記事では、基礎控除の一覧表、相続人2人・遺産5,000万円の仮想計算例、空き家の評価方法、小規模宅地等の特例、申告期限までを順番に整理します。

※本記事は2026年10月時点で確認できる国税庁の公表情報に基づく一般的な解説です。実際の相続税は、財産・債務・相続人・生前贈与・特例適用の状況等で変わります。申告要否や税額は税務署または相続税に詳しい税理士へ確認してください。

  1. 結論|空き家の相続税は「家の値段」だけでは決まらない
  2. 住田さんの悩み|親の空き家を相続したら税金はいくら?
  3. 家守さんの整理|財産全体・評価額・特例を分けて考える
  4. ① 空き家にも相続税はかかる?対象になる財産を確認
  5. ② 相続税の基礎控除はいくら?人数別一覧と計算例
    1. 法定相続人が2人なら、基礎控除は4,200万円
    2. 【仮想例】課税価格5,000万円・子ども2人なら相続税は合計80万円
  6. ③ 空き家の土地・建物はいくらで評価する?
    1. 土地は「路線価方式」または「倍率方式」で評価する
    2. 建物は原則として固定資産税評価額が基準
    3. 「相続税評価額」と「売却査定額」は別の数字
  7. ④ 小規模宅地等の特例は、空き家でも使える?
    1. 条件を満たす居住用の土地は、330㎡まで80%減額できる場合がある
    2. 空き家になった時期・理由で確認事項が変わる
    3. 小規模宅地等の特例を使うなら申告が必要
  8. ⑤ 相続税と、空き家を売ったときの3,000万円控除は別制度
  9. 相続税の申告期限は原則10か月|税金を払えない場合は?
    1. 申告・納税は「亡くなったことを知った日の翌日から10か月以内」
    2. 手元に現金が足りないときは延納・物納を早めに相談
  10. 相続税の確認に必要な書類|まず集めたい資料
  11. 空き家の相続税で迷ったときの判断表
  12. 相続税の確認が済んだら、空き家を売る・残す・貸すを考える
  13. よくある質問|空き家と相続税
    1. Q1.空き家を相続したら、必ず相続税を払う?
    2. Q2.空き家の評価額が1,000万円なら相続税はいくら?
    3. Q3.相続人が2人なら基礎控除はいくら?
    4. Q4.親が老人ホームに入っていた家でも特例は使える?
    5. Q5.小規模宅地等の特例と空き家の3,000万円控除は同じ?
    6. Q6.特例を使って相続税が0円なら、申告しなくていい?
    7. Q7.相続税を払う現金がない場合は?
    8. Q8.空き家は相続してすぐ売ってもいい?
  14. 判断に迷っている方へ|まず状況を整理する
  15. 次に読む記事|相続税と売却時の税金を分けて確認
  16. まとめ|空き家だけでなく財産全体を見て、10か月の期限を確認

結論|空き家の相続税は「家の値段」だけでは決まらない

まず、相続税が気になるときは次の5つを確認しましょう。

  1. 空き家の土地・建物が相続財産になることを確認する。
  2. 預貯金なども含めた財産全体と、法定相続人の人数を調べる。
  3. 土地と建物の相続税評価額を確認する。
  4. 小規模宅地等の特例を使える可能性があるか調べる。
  5. 相続税と、後から空き家を売ったときの税金を分けて考える。

最初に押さえたいこと

相続税の基礎控除は「3,000万円+600万円×法定相続人の数」です。課税価格の合計が基礎控除以下なら、原則として相続税の申告・納税は必要ありません。一方、小規模宅地等の特例を適用して税額が0円になるケースでは、特例のための申告が必要です。

なお、相続税の申告・納税期限は、原則として亡くなったことを知った日の翌日から10か月以内。空き家を今後どうするか決めきれていなくても、税金の確認は先に始めましょう。

根拠:国税庁 No.4102「相続税がかかる場合」、国税庁 No.4205「相続税の申告と納税」。

住田さんの悩み|親の空き家を相続したら税金はいくら?

住田さん
住田さん

親の実家を相続したら空き家になりそうです。建物は古いのですが、相続税が高額になるのではと心配です。売らない場合でも税金がかかるのでしょうか?

家守さんの整理|財産全体・評価額・特例を分けて考える

家守(やもり)
家守(やもり)

空き家も相続財産ですが、家だけで税額は決まりません。まず財産全体が基礎控除を超えるか確認しましょう。親が住んでいた時期や相続する人によって、土地の特例を使えるかも変わります。売却時の3,000万円控除とは別の話ですよ。

① 空き家にも相続税はかかる?対象になる財産を確認

相続税は、亡くなった方(被相続人)から受け継ぐ財産に関係する税金です。誰も住んでいない家であっても、土地と建物は財産として評価されます。 実際に売却する予定があるかどうかで、相続財産に含まれるかが決まるわけではありません。

相続税を考える際は、空き家のほかにも次の財産を確認します。

  • 不動産:土地、家屋、賃貸物件など
  • 金融資産:預貯金、現金、株式、投資信託など
  • その他:自動車、貴金属など相続税の対象となる財産
  • 一定のみなし相続財産:生命保険金など(非課税枠が適用される場合あり)
  • 一定の贈与財産:制度と時期に応じて相続税計算に加えるもの

そこから、認められる債務や葬式費用などを差し引いて課税価格を計算します。生命保険金には、法定相続人が受取人となる場合などに非課税限度額の取扱いがあります。また、相続開始前の贈与が計算に含まれることもあります。

したがって、「空き家の査定価格が2,000万円だから、相続税も2,000万円に対してかかる」という考え方は正しくありません。

参考:国税庁 No.4152「相続税の計算」。

② 相続税の基礎控除はいくら?人数別一覧と計算例

法定相続人が2人なら、基礎控除は4,200万円

相続税の基礎控除は、次の計算式で求めます。

基礎控除額 = 3,000万円 + 600万円 × 法定相続人の数

法定相続人の数 基礎控除額
1人 3,600万円
2人 4,200万円
3人 4,800万円
4人 5,400万円
5人 6,000万円

例えば法定相続人が子ども2人なら、基礎控除は4,200万円。課税価格の合計が基礎控除以下なら、原則として申告・納税は必要ありません。

ただし法定相続人の人数は「家族の人数」や「財産を受け取った人数」と同じとは限りません。 相続放棄があった場合の人数の扱い、養子を人数に含める際の制限などにはルールがあります。

【仮想例】課税価格5,000万円・子ども2人なら相続税は合計80万円

相続税が具体的にいくらになるか、条件を単純化して計算してみましょう。

前提:配偶者はおらず、法定相続人は子ども2人。空き家を含む課税価格の合計は5,000万円。子ども2人が法定相続分どおり半分ずつ取得し、小規模宅地等の特例・個別の税額控除・加算などはないものとします。

計算の順番 計算 金額
① 課税価格の合計 土地・家屋、預貯金などを評価・調整した合計 5,000万円
② 基礎控除 3,000万円+600万円×2人 4,200万円
③ 課税遺産総額 5,000万円-4,200万円 800万円
④ 法定相続分で分けた金額 800万円÷2人 各400万円
⑤ 税率を適用 各400万円×10% 各40万円
⑥ 相続税の総額 40万円+40万円 80万円

この80万円は「空き家に対してかかる税額」ではなく、一定条件の下での相続税の総額です。 相続税は財産ごとに単純に税率を掛けるわけではありません。また、配偶者が相続する場合や特例が使える場合などは結果が変わります。

税額を計算する際は、まず法定相続分で税額の総額を算出し、その後、実際の取得割合や各種の加算・税額控除などを反映するのが基本です。相続した財産が5,000万円なら誰でも80万円、という意味ではありません。

根拠:国税庁 No.4102「相続税がかかる場合」、国税庁 No.4152「相続税の計算」、国税庁 No.4155「相続税の税率」。

③ 空き家の土地・建物はいくらで評価する?

土地は「路線価方式」または「倍率方式」で評価する

空き家の土地の相続税評価では、一般に次の方法を用います。

評価方式 概要 確認先
路線価方式 道路ごとの路線価を基に、面積や土地の形状等に応じた補正を行って評価 国税庁の路線価図
倍率方式 固定資産税評価額に地域・地目に応じた評価倍率を掛けて評価 国税庁の評価倍率表、自治体の評価額資料

土地の地目、形状、接道条件、借地権などによって評価は変わることがあります。土地の面積に路線価を掛けただけでは、正確な評価額にならないケースもあるため注意しましょう。

路線価や評価倍率は、国税庁「財産評価基準書」で確認できます。

建物は原則として固定資産税評価額が基準

自分で使う一般的な家屋については、相続税の計算上、原則として固定資産税評価額を基に評価します。例えば、家屋の固定資産税評価額が300万円なら、通常の自用家屋の相続税評価額も300万円が基本です。

ただし賃貸中の家屋などでは、権利関係に応じた評価調整が行われる場合があります。相続した家が空き家か、賃貸しているかも整理しておきましょう。

「相続税評価額」と「売却査定額」は別の数字

価格の種類 主な用途 間違えやすい点
相続税評価額 相続税の課税価格を計算するとき 売却できる金額とは限らない
固定資産税評価額 固定資産税の計算、家屋等の相続税評価の基礎 土地の相続税評価と同額とは限らない
不動産会社の査定額 売る場合の価格の目安 査定額で売れる保証はない

相続税の計算のために不動産会社へ査定を頼めばよい、というわけではありません。 相続税評価は税務上の基準で行い、売るかどうかの判断には別途、実際の市場価格を確認します。

根拠:国税庁 No.4602「土地家屋の評価」。

④ 小規模宅地等の特例は、空き家でも使える?

条件を満たす居住用の土地は、330㎡まで80%減額できる場合がある

相続税には小規模宅地等の特例という制度があります。亡くなった方などの居住用だった土地について、一定の条件に該当する「特定居住用宅地等」であれば、原則として330㎡までの部分の相続税評価額を80%減額できる可能性があります。

例えば、対象となる土地の相続税評価額が2,000万円で、その全体が特例の対象なら、評価額の計算上は次のようになります。

2,000万円 ×(1-80%)= 400万円

この例は土地の相続税評価額を400万円として扱うという意味で、「相続税額が80%安くなる」「建物の評価額も80%減る」という意味ではありません。

また、ほかの小規模宅地等の特例との併用状況や限度面積によっても計算は異なります。

空き家になった時期・理由で確認事項が変わる

「昔は親が住んでいた家だから特例を使えるはず」と決めつけないことが重要です。

実家の状況 判断のポイント
相続の直前まで親が住んでいた 居住用宅地としての条件と、取得する人(配偶者・同居親族・一定の別居親族等)の要件を確認
親が以前に転居し、長期間空き家だった 原則として相続開始直前の利用状況が重要。以前の自宅だっただけで自動適用されない
親が老人ホームなどに入居し、その後空き家になった 一定の要介護・要支援認定等、入居施設や退去後の家屋の利用状況等により特例対象となる場合がある
相続人が相続後すぐ売る予定 取得者によって、申告期限までの保有・居住継続等が要件となる場合があるため、売却前に確認

特に、同居していなかった子どもが実家を相続する場合は注意が必要。配偶者・同居親族・一定の別居親族では要件が異なり、別居親族には持ち家の有無などに関する厳しい条件があります。

親が老人ホームなどに入居していたケースでは、一定の条件を満たせば元の住まいを居住用として扱う場合がありますが、すべての施設入居や空き家に自動適用される制度ではありません。

小規模宅地等の特例を使うなら申告が必要

小規模宅地等の特例を利用するには、原則として相続税の申告書に必要事項を記載し、計算明細書などの必要書類を添付します。特例を使った結果、納付する税金が0円になっても、申告が必要となる点が重要です。

遺産が未分割のときも特別な手続き上の注意があるため、期限までに分割が終わりそうにない場合は早めに税務署や税理士へ相談しましょう。

根拠:国税庁 No.4124「小規模宅地等の特例」。

⑤ 相続税と、空き家を売ったときの3,000万円控除は別制度

空き家の税金で混同しやすいのが、相続したときの相続税と、相続後に売ったときの譲渡所得にかかる税金です。

比較 相続税 売却時の譲渡所得税
関係する場面 財産を相続したとき 不動産を売って譲渡所得が出たとき
主な計算の基礎 遺産全体の課税価格など 売却代金、取得費、譲渡費用など
主な特例例 小規模宅地等の特例 相続空き家の譲渡所得特別控除
申告 相続税の申告 所得税の確定申告

相続した空き家の「3,000万円特別控除」は、一定の要件を満たして売却したとき、譲渡所得から最高3,000万円を控除できる制度です。相続税そのものから3,000万円を引く制度ではありません。

なお、2024年1月1日以降の譲渡で、対象家屋とその敷地等を相続・遺贈により取得した相続人が3人以上いる場合は、控除額の上限が2,000万円になるとされています。その他にも建築時期、居住状況、売却時期・金額など細かな条件があります。

詳しい条件を確認したい場合はこちらの記事へ。

▶ 空き家の3,000万円控除とは?売る前に確認したい条件と注意点

根拠:国税庁 No.3306「被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例」。

相続税の申告期限は原則10か月|税金を払えない場合は?

申告・納税は「亡くなったことを知った日の翌日から10か月以内」

相続税の申告と納付の期限は、原則として被相続人が亡くなったことを知った日の翌日から10か月以内です。期限が土日祝日などに当たるときは、その翌日が期限となります。

例えば、2026年1月6日に亡くなったことを同日に知った場合、原則として2026年11月6日が申告期限です。

遺産分割の話し合いが終わっていなくても、期限が自動で延びるわけではありません。小規模宅地等の特例などを予定している場合には、未分割のまま期限を迎えるときの取扱いも早めに確認しましょう。

また、相続税の申告書は通常、亡くなった方の死亡時の住所地を管轄する税務署に提出します。自分が住む地域の税務署と異なる場合があります。

手元に現金が足りないときは延納・物納を早めに相談

相続財産の多くが土地・建物で、預貯金が少ないと、税金を払うための資金が足りなくなる場合があります。

相続税は金銭で期限までに一括納付するのが原則ですが、一定の要件を満たす場合には次の制度があります。

制度 概要 注意点
延納 認められた範囲を年払いで納める 税額・資金不足・担保などの要件。利子税がかかる
物納 一定の相続財産で納付する 延納でも困難な場合など、さらに厳しい条件がある

「空き家を相続したから物納できる」「申請すれば必ず認められる」というわけではありません。 延納・物納には期限内の申請と税務署の許可が必要です。申告期限直前まで放置せず、資金不足が見込まれる時点で相談しましょう。

根拠:国税庁 No.4205「相続税の申告と納税」、No.4211「相続税の延納」、No.4214「相続税の物納」。

相続税の確認に必要な書類|まず集めたい資料

相続税の確認では、すべての人に同じ書類が必要とは限りません。まずは手元の資料を次のように分けて整理しておくとスムーズです。

資料 確認すること
戸籍関係の資料 亡くなった方と相続人の関係、法定相続人の範囲
預貯金・有価証券の資料 死亡時点の残高、保有資産
登記事項証明書・地積資料 不動産の名義、土地の所在地・面積など
固定資産税の課税明細書 家屋の評価額、土地の固定資産税評価額など
路線価図・評価倍率表 土地の評価方式や評価額の基礎
借入金・葬式費用の資料 控除を検討する債務や費用
遺言書・遺産分割協議書等 誰がどの財産を取得するか
施設入居・居住状況の資料 小規模宅地等の特例を検討するための事実関係

申告が必要か分からない段階でも、財産一覧と法定相続人の整理から始めると、税務署や税理士へ相談するときに役立ちます。

空き家の相続税で迷ったときの判断表

自分の状況に近いものから、次の行動を確認してみてください。

今の状況 最初にすること
財産全体が基礎控除以下かもしれない 預貯金・不動産・贈与などを含む課税価格を整理し、基礎控除と照合する
親が老人ホーム入居後に空き家になった 親の認定状況・施設種別・退去後の利用状況を記録し、特例の要件を専門家に確認する
子ども同士で相続方法が決まらない 10か月の申告期限と、未分割時の特例の取扱いを先に確認する
相続税を払う現金が少ない 納税額の見込みを算定し、資金準備・延納等の可否を期限前に相談する
相続後に売却も考えている 相続税評価と市場価格を別に把握し、譲渡所得の税金・特例も検討する

相続税の確認が済んだら、空き家を売る・残す・貸すを考える

相続税がかからない場合でも、空き家を所有し続ければ、固定資産税・都市計画税、保険料、管理費、修繕費などの負担が続くことがあります。

また、税金がかかるからといって、すぐに売却するのが最善とは限りません。次の4点を確認しましょう。

  1. 使い道:家族が将来住む予定はあるか。
  2. 保有負担:税金・維持費・管理の手間を負担できるか。
  3. 家族の意向:相続人の間で今後の方針が共有されているか。
  4. 市場価値:売るならいくらくらいで売れそうか。

毎年の固定資産税については、次の記事で確認できます。

▶ 実家の固定資産税はいくら?納税通知書の見方と相続後の負担

管理・維持の費用を詳しく確認したい方は、こちらも参考にしてください。

▶ 空き家の維持費はいくら?年間費用と確認するポイント

「そもそも売るべきか、残すべきか、貸すべきか」で迷っている方は、こちらで判断材料を整理できます。

▶ 実家をどうするか迷ったときの判断基準|売る・残す・貸すの考え方

相続税評価額は市場での売却価格ではありません。 売却も選択肢に入れる段階になってから、不動産会社の査定で市場価格を別に確認しましょう。

よくある質問|空き家と相続税

Q1.空き家を相続したら、必ず相続税を払う?

いいえ。空き家は相続財産ですが、相続税がかかるかは財産全体の課税価格と基礎控除などで決まります。基礎控除以下なら、原則として相続税の申告・納税は不要です。

Q2.空き家の評価額が1,000万円なら相続税はいくら?

空き家の評価額だけでは分かりません。預貯金などほかの財産、債務、法定相続人の数、贈与や特例の有無を含めて判断します。売却査定額1,000万円をそのまま相続税評価額とすることもできません。

Q3.相続人が2人なら基礎控除はいくら?

基礎控除の計算に用いる法定相続人が2人の場合は、3,000万円+600万円×2人で4,200万円です。相続放棄や養子に関する人数のルールなどには注意してください。

Q4.親が老人ホームに入っていた家でも特例は使える?

一定の要件を満たせば、小規模宅地等の特例の対象になる場合があります。要介護・要支援認定等、入居施設の種類、入居後の家屋の利用状況、取得する相続人の条件などを確認する必要があります。

Q5.小規模宅地等の特例と空き家の3,000万円控除は同じ?

いいえ。小規模宅地等の特例は相続税の土地評価に関する制度。空き家の3,000万円控除は、条件を満たして売却したときの譲渡所得に関する制度です。

Q6.特例を使って相続税が0円なら、申告しなくていい?

小規模宅地等の特例を使って税額が0円になる場合は、原則として特例の適用を受けるための相続税申告が必要です。基礎控除の範囲内で申告不要となる場合とは分けて判断しましょう。

Q7.相続税を払う現金がない場合は?

原則は金銭で一括納付ですが、一定の要件を満たせば延納を、さらに条件が整えば物納を検討できる場合があります。期限内の申請が必要なので、早めに税務署や税理士へ相談してください。

Q8.空き家は相続してすぐ売ってもいい?

相続後に売却することは可能ですが、売却するには権利関係や相続登記、共有者との合意などの確認が必要です。特例には保有継続や申告期限等の条件が関係する場合もあるため、急いで売る前に税務・登記両面を確認しましょう。

判断に迷っている方へ|まず状況を整理する

空き家の相続では、税金だけでなく、家族がどうしたいか、誰が管理するか、将来利用する予定があるかも大切です。

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次に読む記事|相続税と売却時の税金を分けて確認

相続した空き家を売る場合の譲渡所得の特例を詳しく知りたい方はこちら。

▶ 空き家の3,000万円控除とは?売る前に確認したい条件と注意点

実家を売るときの税金全体を整理したい方はこちら。

▶ 実家を売ると税金はいくら?確認したい5つのポイントと特例

売却した後に確定申告が必要か知りたい方はこちら。

▶ 不動産売却で確定申告が必要なケースと注意点

まとめ|空き家だけでなく財産全体を見て、10か月の期限を確認

空き家を相続しても、必ず相続税がかかるわけではありません。判断するには家の値段だけでなく、預貯金などを含めた財産全体、法定相続人の人数、土地と建物の相続税評価額、使える特例を確認する必要があります。

特に次の3つから始めましょう。

  1. 財産全体と法定相続人を整理し、基礎控除と比較する。
  2. 土地・建物の評価と小規模宅地等の特例を確認する。
  3. 申告・納税が必要なら、原則10か月の期限を守って準備する。

相続税と、相続した空き家を売ったときの譲渡所得税は別の制度です。税金の確認を済ませたうえで、家族と「売る・残す・貸す」を考えていきましょう。

売却する方向に進むなら、最後に家の価格を把握して判断材料をそろえてみてください。

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