実家が空き家になったとき、多くの人が気になるのが維持費です。
- 「誰も住んでいないのに、お金はかかるの?」
- 「固定資産税以外に、どんな費用が必要なの?」
- 「とりあえず残しておくと、年間いくらくらいかかるの?」
このように感じる方は少なくありません。
空き家は、使っていなくても持っているだけで少しずつお金がかかります。
しかも、空き家の維持費は一度に大きな請求が来るとは限りません。
固定資産税、草刈り、火災保険、修繕、交通費のように、別々のタイミングで少しずつ出ていくことが多いです。
そのため、年間で見直してみると、「思ったより負担になっていた」と感じることがあります。
固定資産税だけでなく、火災保険、草刈り、修繕、見回り、遠方からの交通費など、意外と見落としやすい費用もあります。
そのため、空き家を残すか、売るか、貸すかを考えるときは、維持費の全体像を知っておくことが大切です。
この記事では、空き家の維持費について、年間費用で確認したい5つの内訳をわかりやすく整理します。
■ この記事でわかること
✓ 空き家の維持費の目安
✓ 空き家でかかる5つの主な費用
✓ 固定資産税以外にかかる負担
✓ 放置すると費用が増える理由
✓ 持ち続けるか判断するときの考え方
■ 結論|空き家の維持費は5つの内訳で確認する
結論から言うと、空き家の維持費は、物件の状態や地域によって大きく変わります。
年間10万〜50万円程度で収まるケースもあれば、修繕や管理委託が必要になり、さらに費用がかかるケースもあります。
まず確認したい内訳は、次の5つです。
- 固定資産税・都市計画税
- 火災保険料
- 草刈り・見回りなどの管理費
- 修繕費・メンテナンス費
- 水道光熱費・交通費などのその他費用
この5つを確認すると、空き家を持ち続けた場合の負担が見えやすくなります。
特に注意したいのは、固定資産税だけを見て判断しないことです。
たとえば、固定資産税が年間10万円程度でも、草刈り、火災保険、雨漏り修理、遠方からの見回り費用が加わると、実際の負担はもっと大きくなることがあります。
「とりあえず残しておく」という判断をする前に、毎年どれくらい費用がかかるのかを整理しておきましょう。
まずは、固定資産税の通知書、火災保険の保険料、草刈りや修繕にかかった費用、実家へ通う交通費を書き出してみてください。
ざっくりでも年間費用が見えると、「このまま持ち続けられるのか」「売却や賃貸も考えるべきか」を判断しやすくなります。
■ 住田さんの悩み

実家が空き家になっています。今は誰も住んでいないので、あまりお金はかからないと思っていました。でも、固定資産税、草刈り、火災保険、修繕費の話を聞くと不安になってきました。空き家を持ち続けると、年間どれくらい費用がかかるのでしょうか?
■ 家守さんの整理

空き家は、誰も住んでいなくても維持費がかかります。固定資産税だけでなく、火災保険、草刈り、見回り、修繕費、交通費なども考える必要があります。大切なのは、ひとつひとつの費用を見るだけでなく、年間でどれくらい負担しているかを整理することです。年間費用が見えると、持ち続けるか、売るか、貸すかを判断しやすくなります。
ここからは、空き家の維持費の目安と、確認したい5つの内訳を順番に見ていきます。
空き家の維持費はいくらか
空き家の維持費は、家の状態、立地、敷地の広さ、管理方法によって変わります。
目安としては、年間10万〜50万円程度になることがあります。
ただし、これはあくまで目安です。
実際には、固定資産税だけで済む年もあれば、雨漏り修理や庭木の剪定などで一気に費用が増える年もあります。
そのため、毎年ぴったり同じ金額がかかるというより、「通常年の維持費」と「修繕が発生した年の費用」を分けて考えると現実的です。
たとえば、次のような空き家は費用が高くなりやすいです。
- 土地が広い
- 庭木や雑草が多い
- 建物が古く傷んでいる
- 遠方にあって見回りに交通費がかかる
- 雨漏りや外壁補修が必要
- 管理会社に見回りを依頼している
一方で、近くに住んでいて自分で管理できる場合や、建物の状態が比較的よい場合は、費用を抑えられることもあります。
大切なのは、「固定資産税だけ」ではなく、空き家を維持するために必要な費用全体を見ることです。
空き家の維持費で確認したい5つの内訳
空き家の維持費を考えるときは、次の5つに分けて確認するとわかりやすいです。
- 固定資産税・都市計画税
- 火災保険料
- 草刈り・見回りなどの管理費
- 修繕費・メンテナンス費
- 水道光熱費・交通費などのその他費用
ここから、順番に整理します。
1. 固定資産税・都市計画税
空き家でも、土地と建物を所有している限り、固定資産税はかかります。
地域によっては、固定資産税に加えて都市計画税がかかることもあります。
固定資産税の金額は、土地や建物の評価額、住宅用地の特例、自治体の税率などによって変わります。
住宅が建っている土地には、住宅用地の特例が適用され、土地の税負担が軽くなっている場合があります。
ただし、管理されていない空き家として問題がある場合は注意が必要です。
特定空家や管理不全空家として勧告を受けると、住宅用地の特例が外れ、土地の固定資産税が上がる可能性があります。
ただし、空き家になっただけで自動的に固定資産税が6倍になるわけではありません。
この仕組みは誤解されやすいため、詳しくはこちらの記事で確認してみてください。
2. 火災保険料
空き家を持ち続ける場合、火災保険料も考えておきたい費用です。
誰も住んでいない家でも、火災、台風、落雷、雪害、漏水などのリスクがあります。
特に古い空き家は、電気設備や屋根、外壁が劣化していることもあります。
万が一、火災や倒壊、飛散物による被害が起きると、大きな負担になる可能性があります。
ただし、空き家の状態によっては、一般的な住宅向けの火災保険に加入できない場合や、条件が変わる場合があります。
保険料は建物の状態、所在地、補償内容によって変わるため、保険会社に確認しておきましょう。
「誰も住んでいないから保険はいらない」と考えるのは危険です。
空き家を持ち続けるなら、最低限どんなリスクに備えるかを考えておくことが大切です。
3. 草刈り・見回りなどの管理費
空き家で意外と負担になるのが、草刈りや見回りなどの管理費です。
誰も住んでいなくても、草木は伸びます。
郵便物もたまります。
雨漏りや外壁の劣化も、定期的に見ていないと気づきにくくなります。
空き家の管理では、次のような作業が必要になることがあります。
- 草刈り
- 庭木の剪定
- 郵便物の確認
- 室内の換気
- 雨漏りの確認
- 外壁や屋根の確認
- 防犯確認
- 近隣への配慮
近くに住んでいて自分で対応できるなら費用は抑えられます。
しかし、遠方に住んでいる場合は、管理会社や空き家管理サービスに依頼することもあります。
その場合、月額費用や作業ごとの費用がかかります。
草刈りや見回りを放置すると、近隣トラブルや害虫・害獣の発生につながることもあります。
管理費は、空き家を持ち続けるための必要コストとして考えておきましょう。
4. 修繕費・メンテナンス費
空き家は、誰も住んでいなくても少しずつ劣化します。
むしろ、人が住んでいない家の方が、傷みに気づきにくいことがあります。
たとえば、次のような修繕が必要になることがあります。
- 屋根の修理
- 外壁の補修
- 雨漏り対応
- 水回りの修理
- シロアリ対策
- 窓やドアの修理
- ブロック塀の補修
- 床や天井の傷みへの対応
小さな劣化のうちに対応すれば、数万円程度で済むこともあります。
しかし、雨漏りやシロアリ、外壁の劣化を放置すると、数十万円以上の修繕費がかかることもあります。
さらに、建物が危険な状態になると、解体を検討しなければならないケースもあります。
空き家を長く持ち続けるなら、「いつか修繕費がかかる」という前提で考えておきましょう。
空き家で起きやすい修繕費を詳しく確認したい方は、こちらの記事も参考にしてください。
5. 水道光熱費・交通費などのその他費用
空き家には、固定資産税や修繕費以外にも細かい費用がかかることがあります。
たとえば、次のような費用です。
- 電気の基本料金
- 水道の基本料金
- 防犯対策費
- 除雪費
- 害虫・害獣対策費
- 遠方から見回る交通費
- 荷物整理や不用品処分の費用
電気や水道を完全に止めれば費用は抑えられますが、管理や修繕のために最低限残しておくこともあります。
また、遠方に住んでいる場合は、見回りのための交通費も無視できません。
年に数回の移動でも、ガソリン代、高速代、電車代、宿泊費などがかかることがあります。
ひとつひとつは小さな金額でも、年間で見ると負担になることがあります。
空き家の維持費を考えるときは、こうした細かい費用も含めて整理しておきましょう。
空き家の維持費は放置すると増えやすい
空き家の維持費は、早めに管理していれば抑えられることがあります。
しかし、放置すると費用は増えやすくなります。
たとえば
- 草木を放置すれば、近隣から苦情が出るかもしれません
- 雨漏りを放置すれば、天井や床まで傷む可能性があります
- 外壁や屋根の劣化を放置すれば、補修費が大きくなることがあります
さらに、管理状態が悪い空き家は、特定空家や管理不全空家として自治体から指導を受ける可能性もあります。
空き家の問題は、時間が経つほど選択肢が狭くなりやすいです。
「今は何も起きていないから大丈夫」と思っているうちに、管理費、修繕費、解体費が増えていくことがあります。
- 維持するなら管理する
- 管理できないなら、売却や賃貸も含めて早めに方針を決める
この考え方が大切です。
空き家を放置した場合のリスクを詳しく知りたい方は、こちらの記事で確認してみてください。
▶ 空き家を放置するとどうなる?知らないと危険な5つのリスク
空き家を持ち続けるか判断するポイント
空き家を持ち続けるかどうかは、維持費だけで決めるものではありません。
ただし、維持費は重要な判断材料です。
次のポイントを整理すると、判断しやすくなります。
- 毎年の維持費を負担できるか
- 定期的に管理できるか
- 将来使う予定があるか
- 家族で意見がまとまっているか
- 売った場合いくらになりそうか
将来使う予定があるなら、維持費をかけて残す意味があります。
一方で、誰も使う予定がなく、管理も難しい場合は、売却や賃貸を考えた方がよいこともあります。
空き家は思い出がある分、すぐに決めにくいものです。
ただ、判断を先延ばしにしている間にも、費用はかかり続けます。
まずは、年間でどれくらい維持費がかかっているのかを書き出してみましょう。
空き家の維持費を見て、「このまま持ち続けていいのか分からない」と感じた場合は、いきなり売る・貸す・残すを決める必要はありません。
まずは、今どこを見落としているのかを整理することが大切です。
たとえば、次のような点です。
- 年間の固定資産税はいくらか
- 火災保険や管理費はいくらかかっているか
- 草刈りや庭木の管理はできているか
- 今後、大きな修繕が必要になりそうか
- 遠方から通う交通費や時間の負担はあるか
- 家族で費用負担を話し合えているか
- 売る・貸す・管理して残す選択肢を比較しているか
ここが整理できると、空き家の維持費を「なんとなく不安」ではなく、具体的な判断材料として考えやすくなります。
まずは空き家の価値も確認しておく
空き家の維持費を見て、「このまま持ち続けるのは負担が大きい」と感じる方もいると思います。
その場合は、空き家の売却価格の目安も確認しておくと判断しやすくなります。
なぜなら、維持費だけを見ても、売る・残す・貸すの判断はできないからです。
たとえば、年間の維持費がかかっていても、将来使う予定があるなら残す意味があります。
一方で、誰も使う予定がなく、管理も難しい場合は、売却を検討した方がよいこともあります。
判断するときは、次のように整理するとわかりやすいです。
- 年間の維持費はいくらか
- 修繕費が今後どれくらいかかりそうか
- 家族で使う予定があるか
- 管理できる距離にあるか
- 売った場合いくらになりそうか
- 貸した場合に需要があるか
空き家の価格を知ることで、持ち続けるべきか、売却を検討すべきか判断しやすくなります。
価格を確認することは、すぐに売ると決めることではありません。
年間の維持費、今後の修繕費、管理の負担と、売却した場合の選択肢を比べるための判断材料です。
不動産会社によって査定額は変わるため、複数社を比較して相場を確認しておくことが大切です。
判断に迷っている方へ
空き家の維持費や管理の負担を見て、「このままでいいのか」と感じた方も多いと思います。
実家は、売る・残す・貸すのどれが正解かは状況によって変わります。
維持費だけで判断するのではなく、家族の気持ち、将来使う予定、管理できるかどうか、売却価格の目安まで含めて考えることが大切です。
まずはこちらの記事で、実家をどうするかの判断基準を整理してみてください。
▶ 実家をどうするか迷ったときの判断基準|売る・残す・貸すの考え方
空き家の維持費が気になる方は、固定資産税だけでなく、火災保険、草刈り、修繕費、管理費、交通費まで含めて整理しておくと判断しやすくなります。
「うちの空き家は何を見落としているのか」を確認したい方は、無料の「見落とし発見診断シート」で現在地を整理してみてください。
空き家の維持費が負担に感じている段階でも、価格の目安を知っておくと判断しやすくなります。
年間の維持費や今後の修繕費と、売却した場合の選択肢を比べるための判断材料として、今の価値を確認しておきましょう。
※「メール連絡希望」と記載すれば電話はかなり減らせます 実際に物件を保有・運用してきた立場から整理しています。
※査定したからといって売る必要は一切ありません
※合わない会社は断ってOKです
■ 次に読む記事
空き家の維持費の中でも、草刈りや見回りなどの管理費は、実際に負担を感じやすい部分です。
遠方に住んでいる場合は、自分で管理できず、管理会社や空き家管理サービスを検討することもあります。
空き家の管理費をもう少し具体的に知りたい方は、こちらの記事で確認してみてください。
空き家を放置した場合のリスクを知りたい方は、こちらの記事も参考になります。
▶ 空き家を放置するとどうなる?知らないと危険な5つのリスク
空き家をこのまま持ち続けるか迷っている方は、こちらの記事で判断ポイントを整理できます。
まとめ
空き家の維持費は、物件の状態や地域によって大きく変わります。
年間10万〜50万円程度で収まるケースもありますが、修繕や管理委託が必要になると、さらに費用がかかることもあります。
空き家の維持費を考えるときは、次の5つの内訳を確認しましょう。
- 固定資産税・都市計画税
- 火災保険料
- 草刈り・見回りなどの管理費
- 修繕費・メンテナンス費
- 水道光熱費・交通費などのその他費用
空き家は、持っているだけで費用がかかります。
さらに、放置すると草木の管理、雨漏り、外壁の劣化、近隣トラブルなどで負担が増えることがあります。
空き家を持ち続けるかどうかは、維持費だけで決めるものではありません。
ただし、毎年かかる費用を把握しておくことで、売る・貸す・管理して持ち続ける判断がしやすくなります。
ここまで読んで、「このまま空き家を持ち続けるのは負担が大きい」と感じた方は、まず今の価値を確認してみてください。
価格を確認することは、すぐに売ると決めることではありません。
年間の維持費や今後の修繕費と、売却した場合の選択肢を比べるための判断材料です。
価格がわかると、売る・残す・貸すの判断がしやすくなります。
※「メール連絡希望」と記載すれば電話はかなり減らせます 実際に物件を保有・運用してきた立場から整理しています。
※査定したからといって売る必要は一切ありません
※合わない会社は断ってOKです

