相続した空き家を売ろうと考えたとき、「普通の家の売却と何が違うのか」と迷う方は多いと思います。
- 「名義変更は必要なの?」
- 「相続人が複数いる場合はどうするの?」
- 「売ったあとに税金はかかるの?」
- 「親名義のままでも売れるの?」
- 「兄弟の誰かが反対したらどうなるの?」
このような不安を感じる方は少なくありません。
相続した空き家の売却は、通常の不動産売却と似ている部分もあります。
ただし、相続登記、相続人の合意、税金、特例の確認など、相続ならではの注意点があります。
特に、名義が亡くなった方のままになっている場合、そのままでは売却手続きが進みにくいことがあります。
また、兄弟など相続人が複数いる場合は、「売ること」だけでなく、「売却代金をどう分けるか」「片付け費用を誰が負担するか」でも話し合いが必要になります。
相続した空き家は、家そのものの問題だけではありません。
名義、家族の合意、税金、手続きまで含めて整理することが大切です。
この記事では、相続した空き家を売るときに確認したい5つの手順と注意点をわかりやすく整理します。
■ この記事でわかること
✓ 相続した空き家を売るときの流れ
✓ 相続登記が必要になる理由
✓ 相続人が複数いる場合の注意点
✓ 売却時にかかる税金
✓ 失敗しないために確認したいこと
■ 結論|相続した空き家の売却は5つの手順で進める
結論から言うと、相続した空き家を売るときは、事前準備がとても重要です。
通常の売却と違い、相続登記や相続人の合意を整理しないまま進めると、途中で手続きが止まることがあります。
まず確認したい手順は、次の5つです。
- 相続人と売却方針を確認する
- 相続登記を済ませる
- 空き家の状態と必要書類を整理する
- 査定を受けて売却方法を決める
- 売却時の税金と特例を確認する
この5つを順番に確認すると、相続した空き家の売却を進めやすくなります。
特に大切なのは、相続登記と税金です。
名義が亡くなった方のままでは、売却手続きがスムーズに進まないことがあります。
また、売却益が出る場合は、譲渡所得税がかかる可能性があります。
さらに、条件を満たせば、相続空き家の3,000万円特別控除を使える場合もあります。
ただし、相続人の人数や売却時期によって控除額が変わる場合があるため、使えるかどうかは税理士や税務署に確認しておきましょう。
相続した空き家を売る場合は、売却価格だけでなく、名義、相続人の合意、税金まで整理しておきましょう。
特に注意したいのは、「自分は売りたい」と思っていても、他の相続人も同じ考えとは限らないことです。
空き家を残したい人、売却代金の分け方を気にする人、片付け費用を負担したくない人など、家族の中でも考え方が分かれることがあります。
売却を進める前に、手続きだけでなく家族の合意も確認しておくことが大切です。
■ 住田さんの悩み

相続した空き家を売りたいと思っています。ただ、名義変更が必要なのか、相続人全員の同意がいるのか、売ったあとに税金がかかるのか分かりません。兄弟ともまだきちんと話せていないので、何から進めればいいのか不安です。普通の不動産売却と何が違うのでしょうか?
■ 家守さんの整理

相続した空き家を売る場合は、名義、家族の合意、税金が大きなポイントになります。まずは相続人の間で売却方針を確認し、必要に応じて相続登記を済ませましょう。そのうえで、空き家の状態、売却価格の目安、譲渡所得税や特例の可能性を整理していく流れです。相続した空き家は、売却価格だけで判断せず、手続きと家族の話し合いも含めて進めることが大切です。
ここからは、相続した空き家を売るときの5つの手順と注意点を順番に見ていきます。
相続した空き家は売れるのか
相続した空き家でも、条件が合えば売却できます。
ただし、通常の不動産売却とは少し違う点があります。
大きな違いは、相続によって取得した不動産であることです。
つまり、売却する前に、誰が相続したのか、誰の名義になっているのか、相続人の間で売却に合意できているのかを確認する必要があります。
たとえば、親名義のままの実家を子どもが売る場合、まず相続登記が必要になります。
また、兄弟で相続した場合は、誰か一人の判断だけで売却できないことがあります。
さらに、売却によって利益が出た場合は、譲渡所得税が関係することがあります。
相続した空き家を売るときは、次の点を意識しておきましょう。
- 名義を整理する
- 相続人の合意を確認する
- 空き家の状態を把握する
- 売却価格の目安を知る
- 売却時の税金を確認する
この準備をしておくことで、売却途中のトラブルを防ぎやすくなります。
相続した空き家の場合、物件そのものは売れる状態でも、名義や家族の合意が整っていないために売却が止まることがあります。
不動産会社に相談する前にすべて完璧にする必要はありません。
ただし、誰が相続人なのか、名義がどうなっているのか、家族が売却に前向きなのかは、早めに確認しておきましょう。
相続した空き家を売る5つの手順
相続した空き家を売るときは、次の5つの手順で考えると整理しやすいです。
- 相続人と売却方針を確認する
- 相続登記を済ませる
- 空き家の状態と必要書類を整理する
- 査定を受けて売却方法を決める
- 売却時の税金と特例を確認する
ここから、順番に見ていきます。
1. 相続人と売却方針を確認する
最初に確認したいのは、相続人の間で売却方針がまとまっているかです。
相続した空き家は、相続人が一人とは限りません。
兄弟や親族が複数いる場合、誰が相続するのか、誰の名義にするのか、売却するのか残すのかを話し合う必要があります。
たとえば、次のような点を確認します。
- 誰が相続人なのか
- 空き家を誰が相続するのか
- 売却に全員が納得しているか
- 売却代金をどう分けるのか
- 管理費や固定資産税を誰が負担しているのか
- 家財整理を誰が行うのか
相続人の一部だけが売りたいと思っていても、ほかの相続人が反対していると、売却が進まないことがあります。
また、共有名義にした場合、売却時に共有者全員の同意が必要になることがあります。
相続した空き家を売るなら、まず家族や相続人の間で方針を確認しましょう。
感情的な話になりやすい部分でもあるため、早めに話し合っておくことが大切です。
特に実家の場合は、金額だけの問題ではありません。
親の思い出がある家を売ることに抵抗がある人もいます。
一方で、固定資産税や管理の負担を考えると早く手放したい人もいます。
最初から結論を出そうとすると話し合いが進みにくくなるため、まずは「今後どうするかを話し合う場」を作ることが大切です。
2. 相続登記を済ませる
相続した空き家を売る場合、相続登記が重要です。
相続登記とは、亡くなった方の名義になっている不動産を、相続人の名義に変更する手続きです。
不動産を売却するには、原則として売主が登記上の所有者である必要があります。
そのため、親名義のままの実家を売る場合は、相続登記をして名義を整理する必要があります。
また、相続登記は義務化されています。
不動産を相続で取得したことを知った日から3年以内に申請する必要があるため、売却するかどうかに関係なく、放置しないようにしましょう。
手続きが不安な場合は、司法書士に相談すると進めやすくなります。
3. 空き家の状態と必要書類を整理する
相続登記とあわせて、空き家の状態や書類も整理しておきましょう。
空き家の売却では、買主が不安に感じやすい点があります。
たとえば、建物の老朽化、雨漏り、シロアリ、境界、残置物、再建築の可否などです。
売却前に確認したいのは、次のような点です。
- 建物に雨漏りや傾きがないか
- 屋根や外壁が傷んでいないか
- 水回りが使える状態か
- 家財や不用品が残っていないか
- 境界が分かる資料があるか
- 固定資産税の納税通知書があるか
- 建築確認済証や図面が残っているか
- 近隣とのトラブルがないか
すべてを完璧に整える必要はありません。
ただし、何が分かっていて、何が分からないのかを整理しておくと、不動産会社にも相談しやすくなります。
また、家財が大量に残っている場合、売却前に片付けるべきか、そのまま売るべきかも判断が必要です。
修繕や片付けに費用をかけても、その分高く売れるとは限りません。
売却前に不動産会社へ相談し、どこまで整えるべきか確認しましょう。
4. 査定を受けて売却方法を決める
相続登記や現状整理と並行して、空き家の査定も受けておきましょう。
査定を受けることで、相続した空き家がいくらくらいで売れそうかを把握できます。
相続した空き家の売却方法には、主に次のようなものがあります。
- 建物付きのまま売る
- 古家付き土地として売る
- 解体して更地で売る
- 不動産会社に買取を相談する
どの方法がよいかは、家の状態や地域の需要によって変わります。
たとえば、建物がまだ使える状態なら、リフォーム前提で買いたい人が見つかるかもしれません。
一方で、老朽化が進んでいる場合は、古家付き土地として売る方が現実的なこともあります。
解体して更地にする方法もありますが、解体費用がかかります。
さらに、更地にすると固定資産税が上がる可能性もあります。
そのため、解体する前に不動産会社へ相談することが大切です。
1社だけで判断すると、売却価格や売り方の比較ができません。
複数社に査定を依頼し、価格だけでなく、売却方針の提案も比較しましょう。
査定を受けることは、すぐに売ると決めることではありません。
相続した空き家がいくらくらいで売れそうか、建物付きで売れるのか、解体した方がよいのか、買取も考えるべきかを整理するための判断材料です。
相続した空き家は、不動産会社によって査定額や提案内容が変わることがあります。
1社だけで判断せず、複数社の考え方を比べてみましょう。
5. 売却時の税金と特例を確認する
相続した空き家を売るときは、税金も確認しておきましょう。
売却によって利益が出た場合、譲渡所得税がかかる可能性があります。
譲渡所得は、ざっくり言うと次のように考えます。
売却価格から、取得費や譲渡費用を差し引いて利益が出るかどうかを確認します。
相続した不動産の場合、親が購入したときの取得費が分からないこともあります。
取得費が分からない場合、税金の計算上不利になることがあります。
また、相続した空き家を売る場合、条件を満たせば相続空き家の3,000万円特別控除を使える可能性があります。
これは、相続した空き家を売ったときの譲渡所得から、最高3,000万円まで控除できる制度です。
ただし、使うには条件があります。
たとえば、建物の建築時期、亡くなった方の居住状況、売却時期、耐震性、解体の有無などが関係します。
この特例は、相続税そのものを減らす制度ではありません。
売却時の譲渡所得税に関する制度です。
税金の判断は個別事情によって変わるため、売却前に税理士や税務署に確認しておきましょう。
相続した空き家を売るときのよくある失敗
相続した空き家の売却では、事前準備が不足していると失敗しやすくなります。
よくある失敗は、次のようなものです。
相続登記が済んでいないと、売却手続きが止まることがあります。
相続人の合意がないまま進めると、家族間のトラブルになることもあります。
また、売却価格だけを見て判断すると、税金や解体費用を差し引いた手取りが思ったより少なくなることがあります。
解体についても注意が必要です。
先に解体した方が売りやすいケースもありますが、古家付きのまま売った方がよい場合もあります。
解体費用や固定資産税への影響もあるため、先に不動産会社へ相談しましょう。
判断に迷っている方へ
相続した空き家を売るかどうか迷っている場合は、いきなり売却を決める必要はありません。
まずは、名義、相続人の合意、税金、管理の負担、売却価格の目安を整理することが大切です。
たとえば、次のような点です。
- 相続人の間で売却方針を話し合えているか
- 相続登記や名義の整理が必要か
- 家財や不用品の片付けが必要か
- 建物付きで売れる可能性があるか
- 解体してから売るべきか
- 売却時の税金や特例を確認しているか
- 売る・残す・貸すの選択肢を比較できているか
- 空き家の価格の目安を確認できているか
ここが整理できると、相続した空き家を売るべきか、残すべきか、貸すべきか判断しやすくなります。
相続した実家を売る・残す・貸すのどれがよいか迷っている場合は、まずはこちらの記事で判断基準を整理してみてください。
▶ 実家をどうするか迷ったときの判断基準|売る・残す・貸すの考え方
相続した空き家のことで、今どこを見落としているのか確認したい方は、無料の「見落とし発見診断シート」で現在地を整理してみてください。
相続した空き家を売るかどうか迷っている段階でも、価格の目安を知っておくと判断しやすくなります。
価格を確認することは、すぐに売ると決めることではありません。
相続人で話し合うための材料になり、売却後の手取りや税金を考えるきっかけにもなります。
また、建物付きで売れるのか、解体した方がよいのか、買取も考えるべきかを整理するための判断材料にもなります。
相続した空き家は、不動産会社によって査定額や提案内容が変わることがあります。
1社だけで判断せず、複数社を比較して相場と売り方を確認しておきましょう。
※「メール連絡希望」と記載すれば電話はかなり減らせます 実際に物件を保有・運用してきた立場から整理しています。
※査定したからといって売る必要は一切ありません
※合わない会社は断ってOKです
■ 次に読む記事
相続した空き家を売る場合は、売却時の税金も確認しておく必要があります。
特に、相続空き家の3,000万円控除は、条件を満たせば譲渡所得の負担を減らせる可能性があります。
相続した空き家を売る予定がある方は、こちらの記事で確認してみてください。
▶ 空き家の3000万円控除とは?売る前に確認したい5つの条件と注意点
実家を兄弟で相続する場合は、共有名義や売却時の同意で迷いやすくなります。
兄弟で相続する場合の注意点はこちらで整理しています。
▶ 実家を兄弟で相続するとどうなる?共有名義の5つのリスクと対処法
実家の相続トラブルを避けたい方は、こちらの記事も参考になります。
まとめ
相続した空き家を売るときは、通常の売却とは違う注意点があります。
特に、相続登記、相続人の合意、売却時の税金を整理しておくことが大切です。
相続した空き家を売るときは、次の5つの手順で確認しましょう。
- 相続人と売却方針を確認する
- 相続登記を済ませる
- 空き家の状態と必要書類を整理する
- 査定を受けて売却方法を決める
- 売却時の税金と特例を確認する
相続登記が済んでいないと、売却手続きが止まることがあります。
相続人の合意がないまま進めると、家族間のトラブルになる可能性もあります。
また、売却益が出る場合は、譲渡所得税がかかることがあります。
条件を満たす場合は、相続空き家の3,000万円控除を使える可能性もあります。
ここまで読んで、「相続した空き家を売るかどうか考えたい」と感じた方は、まず価格の目安を確認してみてください。
査定を受けることは、すぐに売ると決めることではありません。
相続人で話し合うための材料になり、売却後の手取りや税金を考えるきっかけにもなります。
価格がわかると、売却するか、残すか、貸すかの判断がしやすくなります。
※「メール連絡希望」と記載すれば電話はかなり減らせます 実際に物件を保有・運用してきた立場から整理しています。
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