家を売るときは、大きなお金が動きます。
そのため、よく分からないまま進めてしまうと、あとで後悔することがあります。
- 不動産会社に言われるまま進めてしまい、思ったより安く売ってしまった
- 査定額だけで会社を選んだら、なかなか売れなかった
- 売却後に費用や税金がかかることを知って慌てた
- 内覧の準備をしていなかったため、買主の印象が悪くなった
このような失敗は、決して珍しいことではありません。
ただし、多くの失敗は「事前に知っていれば防げる失敗」です。
家の売却は、人生で何度も経験するものではありません。
そのため、不動産会社に任せておけば大丈夫だと思いがちです。
もちろん、不動産会社に任せる部分はあります。
ただし、売主側も最低限の注意点を知っておかないと、査定額、売り出し価格、媒介契約、費用、税金などを十分に判断できません。
特に実家や空き家を売る場合は、荷物、名義、相続、建物の状態なども関係するため、通常の住み替えよりも確認することが増えます。
だからこそ、流れや注意点を知らないまま進めるのではなく、先に気をつけるべきポイントを整理しておくことが大切です。
この記事では、家を売るときに損しないために知っておきたい注意点をわかりやすく解説します。
■ この記事でわかること
✓ 家を売るときの注意点
✓ 売却でやってはいけないこと
✓ 査定額だけで決めない方がいい理由
✓ 不動産会社選びで失敗しない考え方
✓ 売却で損しないためのポイント
■ 結論:家を売るときは「1社だけ・査定額だけ・価格だけ」で決めない
家を売るときに特に注意したいのは、次の3つです。
- 1社だけの査定で決めない
- 査定額の高さだけで会社を選ばない
- 売り出し価格を高くしすぎない
家の売却では、不動産会社によって査定額や売却方針が変わります。
1社だけに相談すると、その価格が高いのか安いのか判断できません。
また、一番高い査定額を出した会社が、必ず良い会社とも限りません。
高すぎる価格で売り出すと、なかなか売れず、あとから値下げが必要になることもあります。
家を売るときは、価格だけでなく、
- 査定額の根拠
- 不動産会社の売却方針
- 担当者の説明
- 媒介契約の内容
- 売却にかかる費用
- 税金や引き渡し後の注意点
まで確認することが大切です。
家を売るときは、不動産会社に任せること自体が悪いわけではありません。
大切なのは、任せる前に比較することです。
査定額、説明の分かりやすさ、売却方針、担当者の対応を比べることで、自分に合う会社を選びやすくなります。
■ 住田さんの悩み

家を売るときって、何に気をつければいいんでしょうか。金額も大きいですし、不動産会社に任せきりにして大丈夫なのか不安です。査定額が高い会社を選べばいいのかも、よく分かりません。
■ 家守さんの整理

家を売るときは、不動産会社に任せる部分もあります。ただし、売主側も注意点を知っておくことが大切です。特に、1社だけで決めないこと、査定額だけで判断しないこと、売り出し価格を高くしすぎないこと。この3つを意識するだけでも、売却で後悔するリスクを減らしやすくなります。
家を売るときの注意点5つ
家を売るときに注意したいポイントは、主に次の5つです。
それぞれ見ていきましょう。
注意点① 最初から1社に決めない
家を売るときに多い失敗が、最初に相談した不動産会社1社だけで決めてしまうことです。
- 近くの不動産会社に相談する
- 知り合いに紹介された会社に相談する
- 昔から名前を知っている大手に相談する
このような流れ自体が悪いわけではありません。
ただし、最初から1社だけに決めてしまうと、その会社の査定額や売却方針が本当に妥当なのか判断しにくくなります。
不動産会社によって、次のような違いがあります。
- 査定額
- 売り出し価格の考え方
- 販売方法
- 得意な地域
- 得意な物件種別
- 担当者の対応
- 広告の出し方
- 買主を探す力
同じ家でも、不動産会社によって査定額や提案内容が変わることがあります。
1社だけの査定では、その価格が高いのか安いのか分かりません。
そのため、家を売るときは、複数の不動産会社に査定を依頼して比較することが大切です。
これは、必ず一番高い査定額を選ぶためではありません。
価格の幅を見るためです。
複数社の意見を比べると、自分の家がどのくらいで売れそうか、どんな売り方が合っているか、不動産会社によって見方がどう違うかが分かりやすくなります。
注意点② 査定額の高さだけで会社を選ばない
複数の不動産会社に査定を依頼すると、査定額に差が出ることがあります。
そのとき、一番高い査定額を出した会社を選びたくなるかもしれません。
- 「この会社なら高く売ってくれそう」
- 「他社より高く見てくれたから信頼できそう」
そう感じるのは自然です。
ただし、査定額が高い会社が、必ず良い会社とは限りません。
査定額は、あくまで不動産会社が考える「売れそうな価格の目安」です。
その金額で必ず売れるという保証ではありません。
中には、売却の依頼を受けたいあまり、最初に高めの査定額を出す会社もあります。
高すぎる査定額を信じて売り出すと、次のようなことが起こる場合があります。
- 問い合わせが少ない
- 内覧につながらない
- 売却期間が長くなる
- 途中で値下げが必要になる
- 売れ残り感が出てしまう
大切なのは、査定額の高さではありません。
- なぜその査定額になったのか
- その価格で売れる根拠があるのか
- どのように販売していくのか
ここを確認することです。
査定額を見るときは、次の点を質問してみましょう。
- 周辺の売却事例はありますか
- 似た条件の物件はいくらで売れていますか
- どのくらいの期間で売れる想定ですか
- 売れない場合はいつ価格を見直しますか
- この家の弱点はどこですか
良いことばかりではなく、売れにくい点や注意点も説明してくれる会社の方が安心です。
実家や空き家の場合は、特にこの視点が大切です。
建物が古い、荷物が残っている、遠方で管理しにくい、相続人が複数いる。
こうした事情がある物件では、高い査定額よりも、現実的な売却方針を示してくれる会社の方が合っていることがあります。
注意点③ 媒介契約の種類を理解する
不動産会社に売却を依頼するときは、媒介契約を結びます。
媒介契約とは、不動産会社に売却活動を依頼するための契約です。
媒介契約には、主に次の3種類があります。
- 一般媒介契約
- 専任媒介契約
- 専属専任媒介契約
ざっくり言うと、複数社に依頼できる契約と、1社に絞って依頼する契約があります。
それぞれ特徴が違うため、よく分からないまま契約しないことが大切です。
たとえば、一般媒介契約は複数の不動産会社に依頼できます。
一方で、専任媒介契約や専属専任媒介契約は、基本的に1社に絞って依頼する契約です。
どの契約が合うかは、売却したい家の状況や、売主の考え方によって変わります。
契約前には、次の点を確認しましょう。
- 複数社に依頼できるのか
- 1社に任せる契約なのか
- 契約期間はどれくらいか
- 売却活動の報告はどのくらいあるのか
- 自分で買主を見つけた場合はどうなるのか
- 途中で契約を見直せるのか
媒介契約は、家の売却を進めるうえで重要な契約です。
分からないまま署名するのではなく、違いを説明してもらってから判断しましょう。
注意点④ 売り出し価格を高くしすぎない
家を売るとき、多くの人が「少しでも高く売りたい」と考えます。
それ自体は自然なことです。
ただし、最初の売り出し価格を高くしすぎると、かえって売れにくくなることがあります。
買主は、周辺の物件や相場を見ながら比較しています。
相場より高すぎる価格で売り出すと、問い合わせが入りにくくなります。
売れない期間が長くなると、次のような問題が起こることがあります。
- 価格を下げる必要が出る
- 売れ残っている印象を持たれる
- 内覧が減る
- 売却期間が長引く
- 結果的に安く売ることになる
最初から高く出して、あとから下げればいいと考える方もいます。
しかし、不動産売却では、売り出し直後の反応が大切です。
新しく売り出された物件は、購入希望者の目に留まりやすいタイミングです。
その時点で価格が高すぎると、せっかくの機会を逃してしまうことがあります。
売り出し価格は、不動産会社と相談しながら、現実的な価格に設定しましょう。
高く売りたい気持ちと、実際に売れる価格のバランスを取ることが大切です。
特に、親から受け継いだ実家や長く住んだ家は、売主側の思い入れが価格に反映されやすいです。
「この家には価値がある」と感じるのは自然なことです。
ただ、買主は思い出ではなく、立地、建物の状態、周辺相場、修繕費を見て判断します。
気持ちと価格を分けて考えることも、売却では大切です。
注意点⑤ 内覧前の準備を軽く見ない
家を売るときは、内覧の印象も大切です。
購入希望者は、実際に家を見て「ここに住みたいか」を判断します。
写真や間取りでは良さそうに見えても、内覧時の印象が悪いと購入につながりにくくなります。
内覧前にやっておきたいことは、次の通りです。
- 部屋を片付ける
- 掃除をする
- 玄関をきれいにする
- 水回りを整える
- 換気をする
- におい対策をする
- カーテンを開けて明るくする
- 不要なものを減らす
特に見られやすいのは、玄関、水回り、リビングです。
ここが整っているだけでも、印象は変わります。
実家や空き家の場合は、荷物が残っていることも多いです。
すべてを完璧に片付けるのが難しい場合でも、見える場所だけでも整えておくとよいです。
内覧は、買主にとって大きな判断材料になります。
売り出し価格や広告だけでなく、実際に見たときの印象も大切にしましょう。
ただし、内覧前に大きなリフォームをする必要があるとは限りません。
大切なのは、買主が状態を確認しやすいように整えることです。
荷物を少し減らす、換気する、水回りを掃除する、玄関まわりを整えるだけでも印象は変わります。
お金をかける前に、まずできる範囲で整えることを考えましょう。
家を売る前に確認したい費用
家を売るときは、売却価格だけでなく費用も確認しておく必要があります。
家が売れた金額が、そのまま手元に残るわけではありません。
売却時には、次のような費用がかかることがあります。
- 仲介手数料
- 印紙税
- 登記費用
- 住宅ローン完済に関する費用
- 測量費用
- 解体費用
- 荷物の処分費用
- 引っ越し費用
特に実家や空き家の場合は、荷物の片付けや残置物の処分費用がかかることがあります。
古い家の場合は、解体や修繕を検討するケースもあります。
売却価格だけを見ていると、「思ったより手元に残らない」と感じることがあります。
事前に費用も確認しておきましょう。
特に注意したいのは、売却価格と手取り額は違うということです。
家が2,000万円で売れたとしても、仲介手数料、登記費用、住宅ローンの返済、片付け費用、税金などを差し引くと、手元に残る金額は変わります。
売却で損しないためには、「いくらで売れるか」だけでなく、「いくら残るか」も確認しておきましょう。
売却後の税金にも注意する
家を売ったあとには、税金が関係する場合があります。
売却によって利益が出た場合、譲渡所得税がかかることがあります。
ただし、マイホームの売却では特例が使える場合もあります。
相続した空き家でも、条件によっては特例が関係することがあります。
税金で確認したいポイントは、次の通りです。
- 売却益が出るか
- 購入時の価格が分かるか
- 取得費や譲渡費用を確認できるか
- 特例が使えるか
- 確定申告が必要か
税金は状況によって変わるため、細かい判断は税理士や税務署に確認するのが安全です。
ただし、売却後に慌てないためにも、税金が関係する可能性があることは知っておきましょう。
まずは価格の目安を確認する
ここまで読んで、「自分の家はいくらくらいで売れるんだろう」と感じた方は、まず価格の目安を確認してみるとよいです。
家の価格は、不動産会社によって査定額が変わることがあります。
1社だけでは、その価格が高いのか安いのか判断しにくいです。
査定を受けることは、すぐに売ると決めることではありません。
今の家がどれくらいで売れそうか、どの会社がどのような売却方針を提案するのかを確認するための判断材料です。
複数社の査定を比較することで、相場感や不動産会社ごとの考え方が見えてきます。
判断に迷っている方へ
判断に迷っている方へ
家を売るときの注意点を見て、「そもそも売るべきか、残すべきか、貸すべきか迷う」と感じた方もいると思います。
特に実家や空き家の場合は、価格だけでは決められません。
家族の気持ち、今後使う予定、管理できるかどうか、維持費や修繕費まで含めて考える必要があります。
実家や空き家を売る・残す・貸すのどれがよいか迷っている場合は、まずはこちらの記事で判断基準を整理してみてください。
▶ 実家をどうするか迷ったときの判断基準|売る・残す・貸すの考え方
実家や空き家のことで、今どこを見落としているのか確認したい方は、無料の「見落とし発見診断シート」で現在地を整理してみてください。
家を売るときの注意点を確認したうえで、まず価格の目安を知りたい方は、複数社の査定を比較してみましょう。
査定を受けることは、すぐに売ると決めることではありません。
1社だけで決めず、複数社の意見を比べることで、価格の幅や売却方針の違いが見えやすくなります。
※「メール連絡希望」と記載すれば電話はかなり減らせます
※査定したからといって売る必要は一切ありません
※合わない会社は断ってOKです
実際に物件を保有・運用してきた立場から整理しています。
■ 次に読む記事
家を売るときの注意点が分かったら、次に重要になるのが不動産会社選びです。
不動産会社によって、査定額、売却方針、担当者の対応が変わることがあります。
売却全体の流れを確認したい方はこちらも参考になります。
▶ 家を売る流れ8ステップ|最初にやることと失敗しない進め方
売却前に確認しておくべきことを整理したい方はこちらも参考になります。
▶ 家を売る前に確認したい9つのポイント|相場・名義・ローン・必要書類を整理
まとめ
家を売るときは、大きなお金が動きます。
知らないまま進めると、安く売ってしまったり、思ったより費用がかかったり、売却に時間がかかったりすることがあります。
家を売るときに注意したいポイントは、次の通りです。
- 最初から1社に決めない
- 査定額だけで会社を選ばない
- 媒介契約の種類を理解する
- 売り出し価格を高くしすぎない
- 内覧の準備をしっかりする
- 売却にかかる費用を確認する
- 売却後の税金も意識する
特に大切なのは、1社だけで決めないことです。
不動産会社によって、査定額や売却方針は変わります。
複数社を比較することで、価格の幅や担当者の対応が見えてきます。
家の売却は、一度きりになることが多い大きな判断です。
後悔しないためにも、注意点を知ったうえで、落ち着いて進めていきましょう。
ここまで読んで、「まず自分の家がいくらで売れそうか知りたい」と感じた方は、価格の目安を確認してみてください。
査定を受けることは、すぐに売ると決めることではありません。
1社だけで決めず、複数社の意見を比べることで、価格の幅や売却方針の違いが見えやすくなります。
※「メール連絡希望」と記載すれば電話はかなり減らせます 実際に物件を保有・運用してきた立場から整理しています。
※査定したからといって売る必要は一切ありません
※合わない会社は断ってOKです

