空き家を放置するとどうなる?知らないと危険な5つのリスク

空き家どうする

実家を相続したあと、誰も住まないまま何年も経っている。そんな空き家を前に、「まだ使うかもしれない」「すぐには売れない」と迷っていませんか。

思い出のある家を残すこと自体は、悪い選択ではありません。ただし、空き家として残すことと、管理せずに放置することは別です。

見回りをしない、雨漏りに気づかない、庭木が隣家にはみ出しても対応できない。こうした状態が続くと、建物の損傷だけでなく、近隣や防犯面にも影響するおそれがあります。

この記事では、空き家を放置すると起きる5つのリスクを整理し、今から何を優先して確認・対処すべきかを説明します。売却を急がせる記事ではありません。まず、放置をやめるための一歩を見つけていきましょう。

この記事でわかること

  • 管理せずに放置した空き家で起こり得る5つのリスク
  • 放置が長引くと対応が難しくなる理由
  • 危険箇所・近隣への影響を確認する順番
  • 管理しながら残す・売る・貸すを考える方法

結論|空き家は「残すこと」より「管理せず放置すること」が問題

空き家を残していても、適切な管理ができていれば、直ちに売却する必要はありません。問題は、建物や敷地の状態を確認しないまま時間が過ぎることです。

特に注意したいのは、次の5つです。

  1. 雨漏りや老朽化を見逃し、建物の損傷が広がる
  2. 庭木や外壁の問題で、近隣へ影響が及ぶ
  3. 不法侵入・不法投棄など防犯・衛生面の問題が起こる
  4. 自治体から指導・勧告などを受ける場合がある
  5. 建物の状態が悪化し、売却や活用が難しくなる

最初にすることは、売ると決めることではありません。危険な状態がないかを確認し、必要な対処と管理体制を決めることです。

住田さんの悩み

住田さん
住田さん

実家を相続したのですが、今は誰も住んでいません。すぐに売る決断もできず、見に行く回数が減っています。草刈りや建物の傷みが心配です。このままにしていると、何が起こるのでしょうか?

家守さんの整理

家守(やもり)
家守(やもり)

空き家を残すことと、放置することは違います。まずは雨漏りや外壁、庭木など、周囲に危険が及ぶところから確認しましょう。危険があれば先に対処し、その後で管理方法や今後の使い道を家族で考えればよいのです。

空き家を放置すると起きる5つのリスク

以下は、国土交通省が示す空き家放置のリスクを踏まえ、実家を所有する方が確認しやすいように整理したものです。すべての家に同じ問題が起こるわけではありません。

① 雨漏りや老朽化を見逃し、建物の損傷が広がる

人が住んでいない家では、日常生活の中で異変に気づく機会が少なくなります。

  • 屋根や窓の破損による雨水の浸入
  • 換気不足による湿気やカビ
  • 床・壁・天井の傷み
  • 水回りや設備の不具合

特に雨漏りは、早期に発見できなければ、天井や壁の内部まで傷みが広がる場合があります。問題を放置するほど、必要な補修の範囲や費用が大きくなる可能性があります。

最初の対策:前回いつ点検したかを確認し、雨染み、屋根・外壁の破損、室内の異臭などの異常がないかを調べます。ただし、倒壊のおそれがある建物や危険箇所に無理に立ち入らず、専門業者に相談してください。

② 草木や建物の破損で近隣トラブルになる

空き家の問題は、敷地内だけで終わらない場合があります。たとえば、庭木の枝が道路に張り出したり、外壁や屋根材が傷んで落下のおそれが出たりするケースです。

  • 庭木の枝が隣地や道路にはみ出す
  • 雑草やごみの放置で周辺の衛生状態に影響する
  • 屋根材・外壁材・塀の破損が通行人や近隣の安全を脅かす
  • 害虫や悪臭について苦情が寄せられる

遠方に住んでいると、近所から連絡を受けて初めて気づくこともあります。

最初の対策:敷地の外から、道路・隣地への越境や、落下しそうな部材がないか確認します。危険な枝や部材は自分で無理に処理せず、必要に応じて専門業者に相談しましょう。

関連記事:空き家の近隣トラブルとは?放置で起きやすい5つの問題と対策

③ 不法侵入・不法投棄など防犯・衛生面の問題が起こる

郵便物がたまり、窓や扉が壊れたままになっていると、誰も管理していないことが外からわかりやすくなります。

管理の行き届かない空き家では、不法侵入、ごみの投棄、ねずみや害虫の発生などが問題になる場合があります。もちろん、空き家であれば必ず犯罪や衛生問題が起きるわけではありません。

最初の対策:出入口や窓の破損、郵便物の滞留、ごみの放置を確認します。戸締まりや郵便物の管理を継続できるようにし、異常があれば適切な窓口へ相談しましょう。

④ 自治体から指導・勧告を受ける場合がある

空き家の管理状態が悪く、周囲への影響などが問題になると、市区町村から改善を求められることがあります。

空家法では、管理が不十分な「管理不全空家等」や、周囲に著しい悪影響を及ぼす「特定空家等」について、指導・勧告などの仕組みが設けられています。

こうした対象となり、自治体から勧告を受けると、土地の住宅用地特例が適用されなくなる場合があります。ただし、空き家になっただけで固定資産税が自動的に6倍になるわけではありません。実際の税額への影響は土地の条件などによって異なります。

最初の対策:自治体から通知や連絡が届いていないか確認し、指導を受けている場合は内容と期限を把握して対応します。不明点は空き家の所在する市区町村の担当窓口に相談してください。

制度の詳細:国土交通省「空家法とは」

関連記事:空き家の固定資産税は6倍になる?本当の仕組みと対策

⑤ 建物の状態が悪化し、売却や活用が難しくなる

管理しない期間が長くなり、雨漏り・破損・庭の荒れなどが進むと、売却や賃貸を考えたときに、片付けや補修などの対応が必要になる場合があります。

放置したから必ず売れなくなるわけではありません。しかし、建物の状態が悪いほど、購入希望者への説明や売却条件の調整が難しくなる可能性があります。国土交通省も、放置により売買などが困難になるおそれを示しています。

最初の対策:建物の状態を把握し、片付け・修繕が必要な箇所を整理します。売却を考える場合でも、査定や相談の前に高額なリフォーム・解体を決めつけないことが大切です。

参考:国土交通省「空き家を放置するリスク」

放置が長引くと、何が変わるのか

空き家の問題は、一定の年数が経ったら突然始まるものではありません。建物の状態や立地、気候、以前の管理状況によって変わります。

  1. 確認する人がいなくなる:異常に気づく機会が減る
  2. 小さな不具合が見逃される:雨漏り、庭木の越境、破損などが放置される
  3. 周囲への影響や修繕の必要性が大きくなる:近隣対応や専門業者への依頼が必要になることがある
  4. 今後の選択に手間が増える:売る・貸す・使う前に、片付けや安全確保が必要になる場合がある

これは起こり得る流れの例であり、すべての空き家がこの順番で悪化するという意味ではありません。

空き家を所有しているだけで発生する固定資産税、保険料、管理費などは、放置による損傷とは別の問題です。管理していても残る保有負担は、こちらの記事で詳しく整理しています。

関連記事:空き家を持ち続けるリスクとは?保有負担と将来の判断

放置している空き家で最初にやること

すでにしばらく見に行っていない空き家があっても、最初からすべてを片付ける必要はありません。次の順番で考えると、優先すべきことを整理できます。

① 建物や敷地に危険がないか確認する

屋根・外壁・塀の破損、倒れそうな樹木、道路への枝の張り出しなど、人や周囲に危険が及ぶ箇所を最優先で確認します。

危険な建物には立ち入らず、道路から確認できる範囲で状況を把握し、必要に応じて専門業者や自治体へ相談してください。

② 雨漏り・越境・破損など、急ぐ問題から対処する

「今後どうするか」が決まっていなくても、落下しそうな部材や隣地への越境など、放置できない問題は先に対処する必要があります。

費用が大きくなりそうな場合は、現状を写真やメモに残し、専門業者の見積もりを取って優先順位を判断しましょう。

③ 誰が、どのように管理するか決める

家族で管理できるなら、見回り担当・確認内容・連絡先を決めます。遠方で難しければ、空き家管理サービスを利用する方法もあります。

国土交通省は、当面売却や活用ができない空き家についても適切な管理を求め、自分で管理するのが難しい場合は管理業者などの利用を案内しています。

参考:国土交通省「空き家の管理のやり方」

④ 売る・貸す・残すをいつ再判断するか決める

家族で結論を出せない場合は、すぐに売却する必要はありません。ただし、管理を続ける担当と、次に話し合う時期を決めておきましょう。

建物の状態が急に悪化した場合などは、予定した時期を待たずに対応することが大切です。

空き家を放置していないか7項目で確認

次の項目は、管理状況を見直すためのチェックリストです。当てはまる項目があれば、その箇所から確認しましょう。

  • 最後に建物や敷地を確認した日がわからない
  • 屋根・外壁・窓・塀の破損を確認していない
  • 庭木や雑草が道路・隣地に影響しているか不明
  • 郵便物や出入口の状態を確認していない
  • 家族の誰が管理するか決まっていない
  • 自治体や近隣からの連絡を受ける人が決まっていない
  • 今後の使い道や再判断する時期が決まっていない

当てはまる数だけで危険度を判定できるものではありません。特に、落下や倒壊のおそれがあるなど安全上の問題が疑われる場合は、ほかの項目より先に対応を検討してください。

放置をやめた後、空き家をどうするか

危険箇所を確認し、当面の管理方法を決めたら、将来の使い道を考えます。大きく分けると次の3つです。

  • 管理しながら残す:家族が使う予定がある場合や、まだ判断に時間が必要な場合。管理担当と費用負担を決める
  • 売却を検討する:今後使う予定がなく、管理の継続が難しい場合。現状のまま売る方法も含めて相談する
  • 賃貸・活用を検討する:建物の状態や需要に応じて選ぶ。改修費や管理費、空室の可能性も確認する

ここでは選択肢の概要にとどめます。どれが合うかは実家の状況によって違うため、詳しく比較したい方はこちらを参考にしてください。

▶ 実家をどうするか迷ったときの判断基準|売る・残す・貸す

売却の手順を知りたい方は、空き家を売るにはどうする?売却の流れと失敗しないポイントも参考になります。

「うちの空き家は何を見落としているのか」と迷う場合は、無料の見落とし発見診断シートで、管理・費用・家族の状況を整理してみてください。

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すぐに売ると決めていなくても、売却が選択肢に入ってきたら、価格の目安を確認する方法があります。ただし、査定額は成約価格を保証するものではありません。まずは管理状況と所有関係を整理し、必要に応じて比較材料を集めましょう。

※連絡方法の希望を記載できる場合でも、希望どおりにならず電話連絡が入ることがあります。
※査定したからといって売る必要は一切ありません
※合わない会社は断ってOKです

実際に物件を保有・運用してきた立場から整理しています。

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まとめ|空き家は放置をやめることから始めよう

空き家を放置すると、建物の損傷、近隣への影響、防犯・衛生上の問題、自治体からの指導・勧告、売却や活用の難しさにつながる可能性があります。

ただし、空き家を残すこと自体が悪いわけではありません。管理方法を決めて維持することと、何も確認しないまま放置することを分けて考えましょう。

最初の一歩は、危険な箇所がないか確認すること。次に、必要な対処を行い、管理担当と再判断する時期を決めることです。

今後使う予定がなければ売却や賃貸も選択肢になります。決められない間も、放置せずに管理を続けることが重要です。

保有費用や売却価格を比べる段階になったら、家族で状況を整理してから判断していきましょう。

※連絡方法の希望を記載できる場合でも、希望どおりにならず電話連絡が入ることがあります。
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※合わない会社は断ってOKです

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