空き家を持っていると、一度はこう考えるのではないでしょうか。
「売った方がいい気はするけれど、何から始めればいいのか分からない」
空き家の売却は、普通の家の売却よりも迷うことが多いです。
- 荷物が残っている
- 建物が古い
- 遠方にあって管理できない
- 相続人が複数いる
- 解体した方がいいのか分からない
- そもそも売れるのか不安
このような事情があると、売却を考えていてもなかなか動き出せません。
特に空き家の場合、「先に片付けないといけないのでは」「解体してからでないと売れないのでは」と考えてしまう方も多いです。
ただし、先に大きなお金をかける前に、まず確認した方がよいことがあります。
それは、家の状態と価格の目安、そしてどの売り方が現実的なのかです。
大切なのは、いきなり解体したり、リフォームしたり、1社だけの査定で決めたりしないことです。
まずは家の状態と価格の目安を確認し、仲介で売るのか、買取も考えるのか、現況のまま相談できるのかを整理しましょう。
この記事では、空き家を売るときの流れと、失敗しないために確認しておきたいポイントを整理します。
■ この記事でわかること
✓ 空き家を売るときの基本的な流れ
✓ 売却前に確認しておきたい準備
✓ 空き家売却で失敗しやすいポイント
✓ 仲介と買取の違い
✓ 不動産会社を選ぶときの考え方
■ 結論:空き家を売るには「査定・売り方・会社選び」を順番に整理する
空き家を売るときは、次の流れで進めると整理しやすくなります。
- 家の状態を確認する
- 不動産会社に査定を依頼する
- 仲介か買取かを考える
- 売出価格を決める
- 売却活動を進める
- 契約・引き渡しを行う
最初から完璧に準備する必要はありません。
むしろ、空き家売却では、先に片付けや解体を完璧に済ませようとしない方がよい場合もあります。
家財が残ったままでも査定できることがありますし、古い家でも建物付きで売れる場合があります。
反対に、解体した方が売りやすいケースもあります。
どちらがよいかは、立地、建物の状態、買主の需要、不動産会社の販売方針によって変わります。
そのため、最初に必要なのは「作業」ではなく「判断材料」です。
ただし、空き家の場合は、建物の状態や立地によって売り方が変わります。
そのため、1社だけの意見で決めず、複数の不動産会社の見方を比べることが大切です。
高く売ることだけでなく、どのくらいの期間で売りたいのか、片付けや修繕にどこまでお金をかけるのかも含めて考えましょう。
■ 住田さんの悩み

空き家を売りたいと思っているのですが、何から始めればいいのか分かりません。荷物も残っていますし、古い家なので本当に売れるのか不安です。先に片付けたり、解体したりしてから不動産会社に相談した方がいいのでしょうか。
■ 家守さんの整理

空き家の売却は、流れを知っておけば一つずつ進められます。ただし、最初から片付け、解体、リフォームを自己判断で進める必要はありません。まずは家の状態を確認し、査定を受けて価格の目安を知ることが大切です。そのうえで、仲介で売るのか、買取を検討するのか、現況のまま相談できるのかを不動産会社と比較しながら判断していきましょう。
空き家を売る前に確認しておきたいこと
空き家を売ると決める前に、まず確認しておきたいことがあります。
いきなり売却活動を始めるより、最初に状況を整理しておくと、後で迷いにくくなります。
家の名義を確認する
まず確認したいのは、家の名義です。
相続した実家を売る場合、名義が亡くなった親のままになっていることがあります。
その場合、基本的には相続登記をしてから売却手続きを進めることになります。
名義があいまいなままだと、売却手続きが進めにくくなります。
兄弟など相続人が複数いる場合は、誰が売却に同意しているのかも確認しておきましょう。
家の状態を確認する
次に、家の状態を確認します。
空き家は、人が住まなくなると傷みやすくなります。
確認したいポイントは、次の通りです。
- 雨漏りがないか
- 外壁や屋根に傷みがないか
- 水回りが使えるか
- 床や柱に傷みがないか
- 荷物がどれくらい残っているか
- 庭木や雑草が伸びていないか
- 境界や道路の状況に問題がないか
空き家の状態によって、売り方は変わります。
そのまま売れる場合もあれば、片付けや修繕、場合によっては解体を検討した方がよい場合もあります。
ただし、自己判断で先に大きなお金をかけるのは避けたいところです。
たとえば、解体費やリフォーム費をかけても、その分だけ高く売れるとは限りません。
買主によっては、自分でリフォームしたい場合もあります。
また、土地として買いたい人にとっては、建物の状態よりも立地や接道、土地の形の方が重要になることもあります。
空き家は、きれいにしてから売るべき場合もあれば、現況のまま相談した方がよい場合もあります。
まずは不動産会社に見てもらい、売り方の選択肢を確認しましょう。
家族の同意を確認する
空き家が実家の場合、家族の気持ちも大切です。
売るつもりで進めていたのに、後から兄弟や親族が反対することもあります。
特に相続人が複数いる場合は、早めに話し合っておきましょう。
- 売却に同意しているか
- 売却代金をどう分けるか
- 片付け費用を誰が負担するか
- 売る時期について意見が合っているか
空き家の売却は、家そのものだけでなく、家族の合意も大切です。
相続した空き家を売る場合は、名義や家族の同意、税金、手続きも確認しておく必要があります。
相続した実家や空き家を売るときの注意点は、こちらの記事でも整理しています。
▶ 相続した空き家を売るときの注意点|税金・手続き・失敗しないポイント
空き家を売る基本的な流れ
空き家を売る流れは、主に次の6ステップです。
- 状況を整理する
- 査定を依頼する
- 売り方を決める
- 売出価格を決める
- 売却活動を行う
- 契約・引き渡しを行う
順番に見ていきます。
ステップ① 状況を整理する
最初に、空き家の状況を整理します。
確認したいのは、次のような点です。
- 名義は誰になっているか
- 相続人は誰か
- 家の状態はどうか
- 荷物は残っているか
- すぐ売りたいのか、時間をかけてもよいのか
- できるだけ高く売りたいのか、早く手放したいのか
ここが整理できていると、不動産会社に相談するときも話がスムーズです。
特に大切なのは、「高く売りたい」のか「早く手放したい」のかです。
この2つで売り方が変わることがあります。
ステップ② 不動産会社に査定を依頼する
次に、不動産会社に査定を依頼します。
査定とは、その空き家がいくらくらいで売れそうかを見てもらうことです。
査定を受けることで、売却価格の目安が分かります。
ただし、査定額は不動産会社によって変わることがあります。
同じ空き家でも、会社によって見方が違うからです。
- 地域の売却に強い会社
- 古い家や空き家に慣れている会社
- 買取も提案できる会社
- 土地としての売却に強い会社
それぞれ得意分野が違います。
そのため、1社だけで判断せず、複数社の査定や提案を比べることが大切です。
査定を依頼することは、すぐに売ると決めることではありません。
空き家がいくらくらいで売れそうか、どの売り方が合いそうか、片付けや解体が必要かを判断するための材料です。
空き家の場合は、不動産会社によって提案が変わることがあります。
だからこそ、1社だけで決めず、複数社の考え方を比較してみましょう。
ステップ③ 仲介か買取かを考える
空き家を売る方法には、大きく分けて仲介と買取があります。
仲介で売る
仲介は、不動産会社に買主を探してもらう方法です。
一般の購入希望者に向けて売り出すため、条件が合えば高く売れる可能性があります。
ただし、買主が見つかるまで時間がかかることがあります。
また、内覧対応や価格交渉も発生します。
仲介が向いているのは、次のようなケースです。
- できるだけ高く売りたい
- 売却を急いでいない
- 家の状態が比較的良い
- 立地や需要がある
- 売却活動にある程度時間をかけられる
買取で売る
買取は、不動産会社に直接買い取ってもらう方法です。
買主を探す必要がないため、早く売却しやすいのが特徴です。
古い家や空き家でも、条件によっては買取の対象になることがあります。
ただし、一般的には仲介より売却価格が低くなることがあります。
買取が向いているのは、次のようなケースです。
- 早く手放したい
- 空き家の管理が難しい
- 古い家で売れるか不安
- 荷物や修繕の負担を減らしたい
- 近隣に知られずに進めたい
- 売却活動に時間をかけたくない
空き家の場合は、仲介だけでなく買取も含めて考えると、選択肢が広がります。
仲介と買取の違いを詳しく確認したい方は、こちらの記事で整理してみてください。
ステップ④ 売出価格を決める
査定結果や売り方をもとに、売出価格を決めます。
売出価格はとても大切です。
高すぎると、なかなか売れません。
安すぎると、損をする可能性があります。
適正な価格を決めるには、次のような点を確認します。
- 周辺の売却相場
- 土地の広さ
- 建物の状態
- 築年数
- 立地
- 接道状況
- 修繕や解体の必要性
- 売却までの希望期間
空き家は、建物の価値だけでなく、土地として見られることもあります。
古い家だから価値がないと決めつけず、不動産会社の提案を比較して判断しましょう。
ステップ⑤ 売却活動を行う
仲介で売る場合、不動産会社が売却活動を行います。
主な売却活動は、次のようなものです。
- 不動産情報サイトへの掲載
- 購入希望者への紹介
- チラシや広告
- 内覧対応
- 価格交渉
- 条件調整
空き家の場合、内覧前の印象も大切です。
必ず大きなリフォームをする必要はありませんが、最低限の片付けや清掃はしておいた方がよいです。
特に、玄関、庭、室内のにおい、雨漏り跡などは見られやすいポイントです。
空き家の印象が悪いと、価格交渉につながることがあります。
ステップ⑥ 契約・引き渡しを行う
購入者が決まったら、売買契約を行います。
契約では、売買価格、引き渡し時期、残置物、境界、設備の扱いなどを確認します。
空き家の場合は、次の点も確認しておきたいところです。
- 家の中の荷物をどうするか
- 古い設備をどう扱うか
- 修繕する部分があるか
- 境界確認が必要か
- 解体する場合は誰が負担するか
契約後、決済と引き渡しを行って売却完了です。
空き家売却で失敗しないためのポイント
空き家を売るときは、いくつか注意したいポイントがあります。
1社だけの査定で決めない
空き家の査定額は、不動産会社によって差が出ることがあります。
1社だけの査定では、その価格が高いのか安いのか分かりにくいです。
また、会社によって売り方の提案も違います。
仲介がよいという会社もあれば、買取を提案する会社もあります。
複数社の提案を比べることで、自分の空き家に合った売り方を考えやすくなります。
先にリフォームや解体をしない
空き家を売る前に、リフォームや解体をした方がよいのか迷う人もいます。
ただし、先に大きなお金をかけるのは慎重に考えた方がよいです。
なぜなら、買主によっては、自分でリフォームしたい場合もあるからです。
また、地域や土地の条件によっては、建物付きのまま売れることもあります。
解体した方が売りやすい場合もありますが、解体費用がかかります。
まずは不動産会社に相談し、どの状態で売るのがよいか確認しましょう。
特に空き家の場合は、次のように判断が分かれやすいです。
- 建物付きのまま売った方がよい
- 解体して土地として売った方がよい
- 最低限の片付けだけでよい
- 買取なら残置物を含めて相談できる
- 修繕せずに価格で調整した方がよい
この判断は、自分だけでは難しい部分です。
先に費用をかける前に、複数の不動産会社へ相談してから決めましょう。
解体してから売るべきか迷う方は、こちらの記事で費用や判断基準を確認してみてください。
▶ 空き家の解体費用はいくら?確認したい5つのポイントと注意点
荷物の片付けを早めに考える
空き家には、家財や思い出の品が残っていることがあります。
売却前には、荷物の整理が必要になる場合があります。
すべてをすぐ片付ける必要はありませんが、あまりに荷物が多いと内覧の印象に影響します。
また、引き渡しまでに処分が必要になることもあります。
家族で何を残すのか、何を処分するのかを早めに話し合っておきましょう。
売る時期を先送りしすぎない
空き家は、時間が経つほど状態が悪くなることがあります。
建物が傷むと、売却前に修繕や解体が必要になる可能性もあります。
すぐに売る決断ができない場合でも、家の状態や価格の目安は早めに確認しておくと安心です。
「いつか売るかもしれない」と思っているなら、何年も放置せず、期限を決めて再判断しましょう。
不動産会社の選び方
空き家売却では、不動産会社選びが大切です。
同じ空き家でも、会社によって売り方や提案が変わるからです。
確認したいポイントは、次の通りです。
- 地域の売却に詳しいか
- 空き家や古い家の売却経験があるか
- 仲介と買取の両方を相談できるか
- 査定額の根拠を説明してくれるか
- デメリットもきちんと伝えてくれるか
- 連絡や説明が分かりやすいか
査定額が一番高い会社を選べばよいとは限りません。
高すぎる査定額を出して、あとから値下げをすすめる会社もあります。
査定額だけでなく、説明の分かりやすさ、売却方針、担当者の対応も見て判断しましょう。
空き家を売るか迷う場合の考え方
空き家を売るか迷う場合は、まず次の点を整理しましょう。
- 今後、誰かが住む予定はあるか
- 定期的に管理できるか
- 維持費を負担できるか
- 家の状態は保てそうか
- 売却価格の目安はどれくらいか
- 家族で売却に納得しているか
この中で、住む予定がなく、管理も難しく、維持費が負担になっている場合は、売却を前向きに考えてよいです。
反対に、将来使う予定があり、管理できる人もいるなら、すぐに売らずに残す選択もあります。
大切なのは、空き家を放置しないことです。
売る、残す、貸すのどれを選ぶにしても、早めに方向性を整理しておくと後悔しにくくなります。
判断に迷っている方へ
空き家を売るか迷っている場合は、いきなり結論を出す必要はありません。
まずは、今どこを見落としているのかを整理することが大切です。
たとえば、次のような点です。
- 今後、誰かが住む予定はあるか
- 定期的に管理できるか
- 維持費や修繕費を負担できるか
- 家族で売却に納得しているか
- 荷物や残置物をどうするか
- 仲介と買取のどちらが合いそうか
- 売った場合いくらになりそうか
ここが整理できると、売る・残す・貸すの判断がしやすくなります。
実家や空き家のことで、今どこを見落としているのか確認したい方は、無料の「見落とし発見診断シート」で現在地を整理してみてください。
空き家を売るか迷っている段階でも、価格の目安を知っておくと判断しやすくなります。
現況のまま売れるのか、片付けや解体が必要なのか、仲介と買取のどちらが合うのかを比べるためにも、まず今の価値を確認しておきましょう。
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※査定したからといって売る必要は一切ありません
※合わない会社は断ってOKです
■ 次に読む記事
空き家を売るときは、どの不動産会社に依頼するかで結果が変わることがあります。
会社選びの基準を先に確認しておきたい方は、次にこちらの記事を読んでみてください。
古い空き家や実家が売れるか不安な方は、こちらの記事も参考になります。
仲介と買取の違いを知りたい方は、こちらの記事で整理できます。
まとめ
空き家を売るには、流れを理解して一つずつ進めることが大切です。
基本的な流れは、次の通りです。
- 状況を整理する
- 査定を依頼する
- 仲介か買取かを考える
- 売出価格を決める
- 売却活動を行う
- 契約・引き渡しを行う
空き家の場合、建物の状態、荷物、修繕、解体、相続人の同意など、確認することが多くあります。
だからこそ、最初に流れを知っておくと安心です。
失敗しないためには
- 1社だけの査定で決めないこと
- 先にリフォームや解体を決めないこと
- 空き家や古い家の売却に慣れた不動産会社に相談すること
このあたりが大切です。
空き家は、放置するほど状態が悪くなり、売却の選択肢が狭くなることがあります。
売るかどうか迷っている段階でも、まずは家の状態や価格の目安を確認し、自分たちに合った進め方を考えていきましょう。
空き家の査定を受けることは、すぐに売ると決めることではありません。
現況のまま売れるのか、片付けや解体が必要なのか、仲介と買取のどちらが合うのかを考えるための判断材料です。
空き家を売る可能性があるなら、まずは価格の目安と売り方の選択肢を確認しておきましょう。
※「メール連絡希望」と記載すれば電話はかなり減らせます 実際に物件を保有・運用してきた立場から整理しています。
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