「実家の固定資産税って、毎年いくらかかっているんだろう?」
親が暮らしている間は気にしていなくても、相続や空き家のことを考え始めると、毎年かかる税金が気になりますよね。
- 親の実家の固定資産税を調べるには、どの書類を見ればいい?
- 築年数が古い家なら、税金も安い?
- 誰も住まなくなると固定資産税は上がる?
- 相続した後、兄弟姉妹のうち誰が払う?
結論から言うと、実家の固定資産税は「納税通知書」と「課税明細書」を確認するのが最も確実です。 地域や土地の広さ、土地・家屋の評価、住宅用地の特例などによって金額が変わるため、全国一律の金額では判断できません。
この記事では、実際の書類で見るべき場所、計算の具体例、空き家や解体による影響、相続後の納税義務まで整理します。実家を「売る・残す・貸す」のどれにするか考えるための、最初の材料にしてください。
※固定資産税・都市計画税の一般的な制度を、2026年10月時点の国・自治体の公表情報で確認して構成しています。個別の評価額、特例、税率、課税年度の扱いは自治体によって異なるため、実際の納税額・納税義務者は不動産所在地の市区町村に確認してください(東京都23区内は都税事務所)。
- 結論|実家の固定資産税は5つのポイントで確認する
- 住田さんの悩み|親の実家を相続したら毎年いくら払う?
- 家守さんの整理|まず実額と納税義務者を分けて確認
- 実家の固定資産税はいくら?計算方法と年間7万円の例
- 納税通知書・課税明細書の見方|どこを確認すればいい?
- 住宅用地の特例|固定資産税と都市計画税は軽減割合が違う
- 実家が空き家になったら?解体したら?税額の変化を確認
- 実家を相続したら固定資産税は誰が払う?4つのケース
- 固定資産税だけでなく、実家を持ち続ける年間費用を整理する
- 実家を残す・売る・貸す|固定資産税をどう判断に使う?
- よくある質問|実家の固定資産税で迷いやすいこと
- 判断に迷っている方へ|実家の費用と使い道を一度整理する
- 次に読む記事
- まとめ|固定資産税を数字で把握し、実家の将来を考えよう
結論|実家の固定資産税は5つのポイントで確認する
まずは難しい計算をするより、次の順番で確認しましょう。
- 納税通知書で「年税額」を確認する。
- 課税明細書で「土地」と「家屋」の評価額・課税標準額を確認する。
- 土地に「住宅用地の特例」が適用されているか確認する。
- 空き家化・解体で翌年度以降の税額が変わる可能性を確認する。
- 相続後、誰が納税義務を負い、家族内で誰が負担するか決める。
すでに親元に納税通知書があるなら、まずそこに書かれた実額を控えておくだけでも大きな一歩です。固定資産税と都市計画税が一緒に請求されている場合は、合計の年税額も確認してください。
住田さんの悩み|親の実家を相続したら毎年いくら払う?

親が住んでいる実家があります。固定資産税が年間いくらか知りません。いずれ空き家になったり兄弟で相続したりしたら、誰がどれくらい払うことになるのでしょうか?
家守さんの整理|まず実額と納税義務者を分けて確認

税額を知るには納税通知書と課税明細書が基本です。そのうえで、税金を納める義務がある人と、家族内で実際に費用を負担する人を分けて考えましょう。空き家になっただけで自動的に税金が6倍になるわけではありませんよ。
実家の固定資産税はいくら?計算方法と年間7万円の例
固定資産税は「売却できる価格」ではなく課税標準額で計算する
固定資産税の基本的な計算式は、次のとおりです。
ここで区別したいのは、「評価額」と「課税標準額」です。評価額は固定資産税の評価上の価格、課税標準額は税額計算の基になる金額。住宅用地の特例などがある土地では、この2つが異なる場合があります。
また、建物が古いからといって、土地にかかる固定資産税までなくなるわけではありません。固定資産税評価額と不動産会社の査定額・売却価格も別のものです。
根拠:東京都主税局「固定資産税・都市計画税(土地・家屋)」、国土交通省「土地の保有に係る税制」。
【計算例】土地と家屋を合わせて年7万円になるケース
次は説明のための仮想例です。実際の実家の税額ではありません。
| 項目 | 仮の金額・条件 |
|---|---|
| 土地 | 固定資産税評価額1,200万円/住宅用地150㎡・住宅1戸 |
| 土地の課税標準額 | 1,200万円 × 1/6 = 200万円と仮定 |
| 土地の固定資産税 | 200万円 × 1.4% = 28,000円 |
| 家屋の課税標準額 | 300万円と仮定 |
| 家屋の固定資産税 | 300万円 × 1.4% = 42,000円 |
| 固定資産税の合計 | 70,000円/年 |
この例では、小規模住宅用地の特例を受けられ、土地の課税標準額が評価額の6分の1になると仮定しました。
実務上は課税標準額が単純に評価額の6分の1と一致しないこともあります。 土地の負担調整措置、自治体の税率、軽減・減免、端数処理などは省略しています。さらに都市計画税が課される地域なら、別に税額が加わります。
つまり、年7万円という数字自体より、「土地と家屋を分け、納税通知書の数字を基に確認する」ことが重要です。
納税通知書・課税明細書の見方|どこを確認すればいい?
納税通知書では「年税額」と「納期限」を見る
まず親の手元にある「固定資産税・都市計画税 納税通知書」を探しましょう。通知の時期や書式は自治体によって異なります。
納税通知書で優先して確認するのは、主に次の項目です。
- 年税額:その年度に納める固定資産税・都市計画税の合計など。
- 税目の内訳:固定資産税と都市計画税がそれぞれいくらか。
- 納税義務者:誰の名前で課税されているか。
- 納期限:何期に分けて、いつまでに納めるか。
納税通知書に複数の土地・家屋がまとまっている場合、通知書全体の年税額が「実家だけの税額」とは限りません。 次の課税明細書で対象物件を確認しましょう。
課税明細書では「土地と家屋」の内訳を見る
課税明細書には、土地・家屋ごとの所在地や評価額、課税標準額などが記載されています。名称や欄の並びは自治体ごとに異なります。
| 確認する欄 | 何が分かる? | 注意点 |
|---|---|---|
| 所在地・地番 | 対象の土地・建物 | 住所の住居表示と異なる場合がある |
| 地積・床面積 | 土地・建物の規模 | 登記面積と現況面積の違いに注意 |
| 評価額 | 自治体が評価した価格 | そのまま税率を掛けるとは限らない |
| 課税標準額 | 税額計算の基礎 | 特例や負担調整で評価額と異なることがある |
| 住宅用地の区分 | 軽減の対象となる土地か | 小規模・一般などを確認 |
| 税相当額 | 物件別の税負担の参考 | 端数処理などで実際の年税額と一致しない場合がある |
例えば、親が実家以外に畑や駐車場も持っているなら、実家の土地・家屋がどの行かを確認しよう。課税明細書に書かれた数字の意味が分からなければ、所在地の自治体の資産税担当窓口で確認できます。
資料:伊勢崎市「納税通知書・課税明細書の見方」、横浜市「課税明細書をご覧ください」。
納税通知書が見つからないときは?
親が元気なうちなら、まず納税通知書や課税明細書を見せてもらうのが早い方法です。失くした場合は自治体によって再発行の扱いが異なり、通知書自体は再発行しない自治体もあります。
必要に応じて「評価証明書」「公課証明書」「名寄帳」などの取得を相談しましょう。ただし、子どもだからといって親の課税情報を無条件に取得できるわけではありません。 委任状や本人確認書類、相続関係を証明する書類が必要な場合があります。
自治体に問い合わせるときは、「実家の所在地・地番」「知りたい年度」「評価額なのか実際の税額なのか」を伝えると相談しやすくなります。
住宅用地の特例|固定資産税と都市計画税は軽減割合が違う
住宅が建っている土地には、要件を満たすと住宅用地の課税標準の特例が適用されます。固定資産税の負担が軽くなる重要な制度です。
| 住宅用地の区分 | 固定資産税 | 都市計画税 |
|---|---|---|
| 小規模住宅用地(住宅1戸につき200㎡までの部分) | 評価額の1/6が本則課税標準 | 評価額の1/3が本則課税標準 |
| 一般住宅用地(小規模部分を超える部分) | 評価額の1/3が本則課税標準 | 評価額の2/3が本則課税標準 |
※住宅用地の認定には、住宅としての利用状況や、原則として家屋の床面積の10倍までといった範囲の条件があります。「200㎡を超えたら土地全部が1/3になる」わけではありません。実際の課税標準額には土地の負担調整が関係する場合もあります。
「6分の1」は土地の税額そのものが必ず6分の1になるという意味ではありません。 課税標準に関する特例なので、税額の増減を単純に「6倍」と計算しないようにしましょう。
都市計画税は、対象区域の土地・家屋に課される場合があり、税率の上限は0.3%です。実際の課税の有無・税率は自治体で確認します。
根拠:国土交通省「土地の保有に係る税制」、盛岡市「住宅用地とその特例措置」。
実家が空き家になったら?解体したら?税額の変化を確認
空き家になっただけで、自動的に固定資産税が6倍になるわけではない
親が施設に入ったり、相続で誰も住まなくなったりしても、空き家になったという事実だけで直ちに住宅用地の特例が消えるわけではありません。
ただし、住宅としての状態や使用実態、管理状況によっては、住宅用地に該当しないと判断される場合があります。また、管理不全空家等・特定空家等として自治体から勧告を受けた敷地は、住宅用地特例の対象外となる場合があります。
詳しい条件や「6倍」という表現の正しい意味は、こちらで整理しています。
解体して更地にすると、土地の税額と家屋の税額が別々に変わる
家屋を解体して更地にすると、住宅用地の特例が使えなくなり、翌年度以降の土地の税負担が増えることがあります。 一方、1月1日時点で家屋が存在しなければ、原則としてその年度はその家屋に固定資産税がかかりません。
固定資産税は毎年1月1日時点の状態が基準になるため、年の途中で解体しても、その年度の税金が自動的に月割りで戻るわけではありません。 解体したら自治体への届出が必要な場合もあります。
土地の税額上昇だけでなく、解体費・売却までの期間・管理の負担・家屋にかかる税額の変化も含めて検討しましょう。
実家を相続したら固定資産税は誰が払う?4つのケース
相続の話では、「法律上の納税義務者」「通知書を受け取る人」「家族内でお金を負担する人」の3つを分けて考えることが大切です。
固定資産税の賦課期日は原則として毎年1月1日。通常、その時点の登記簿等の所有者を基準に課税されます。所有者が亡くなっている場合は、現所有者となる相続人等が納税義務を負います。
| 状況 | 固定資産税の考え方 | 確認したいこと |
|---|---|---|
| ① 親が存命で実家を所有 | 通常は親が納税義務者 | 通知書の名義・年税額を親と確認 |
| ② 1月1日後、年の途中で親が亡くなった | その年度の納税義務は原則として相続人が承継 | 未納分、納付書、相続手続き |
| ③ 翌年1月1日までに相続登記が終わらない | 相続人等の現所有者が課税対象になり得る | 自治体への現所有者申告、相続登記 |
| ④ 兄弟姉妹など複数の相続人がいる | 共有状態なら相続人全員が連帯して納付義務を負う場合がある | 代表者、家族内の分担、納付記録 |
相続登記が終わっていないから税金を払わなくてよい、ということにはなりません。 自治体によっては「現所有者の申告」が必要です。また、相続人代表者の指定や通知書の送付先の決定と、不動産の名義変更(相続登記)は別の手続きです。
例えば兄弟2人の相続なら、「通知書は長男に届くが、負担は2人で折半する」と家族内で決めることはできます。ただし、その取り決めだけで自治体に対する連帯納税義務が消えるわけではありません。
固定資産税を巡るトラブルを防ぐには、誰が一度支払い、誰がいくら負担し、いつ精算するかをメモに残しましょう。遺産分割の方針もあわせて相談しておくと安心です。
根拠:横浜市「所有者が亡くなった場合の固定資産税」、横浜市「相続登記・現所有者申告制度」。
固定資産税だけでなく、実家を持ち続ける年間費用を整理する
実家を残すかどうかを考えるなら、固定資産税だけでなく、実家を維持するためのお金を合わせて確認しておきましょう。
たとえば、こんな費用が考えられます。
- 固定資産税・都市計画税
- 火災保険料など
- 草刈り・庭木の管理費
- 見回りの交通費・管理サービス費
- 電気・水道の基本料金
- 修繕費(発生する年は高額になる場合もある)
まずは実家の状況に合わせて、次の表を埋めてみましょう。
| 項目 | 年間の金額(自分で記入) |
|---|---|
| 固定資産税・都市計画税 | ____円 |
| 火災保険料など | ____円 |
| 草刈り・管理・交通費 | ____円 |
| 電気・水道など | ____円 |
| 修繕費の備え | ____円 |
| 年間の合計 | ____円 |
たとえば固定資産税が年7万円、その他の管理費などが年3万円なら、年間10万円、10年間で100万円という単純計算になります。これはあくまで仮の例で、実際には大きな修繕が発生したり、費用が変動したりする可能性があります。
維持費の詳しい内訳はこちらで整理しています。
実家を残す・売る・貸す|固定資産税をどう判断に使う?
固定資産税の負担があるからといって、すぐに実家を売るべきとは限りません。家族が住む予定がある、将来戻る可能性がある、賃貸に出せる需要があるなど、事情によって選択肢は変わります。
判断するときは、次の点を順番に確認しましょう。
- 使い道:家族が住む・利用する予定があるか。
- 維持管理:税金だけでなく、草刈りや修繕まで負担できるか。
- 家族の合意:相続人の間で費用と今後の方針を共有できているか。
- 市場価値:売る場合の価格の目安を把握しているか。
- 賃貸の現実性:貸せる状態か、需要があるか。
「残す場合の年間負担」と「売った場合の手取り額」を比較したいときは、価格の目安を調べておくと判断材料が増えます。ただし、固定資産税の評価額をそのまま売却価格と考えてはいけません。
実家をどうするかの全体像を整理するなら、こちらの記事が出発点になります。
▶ 実家をどうするか迷ったときの判断基準|売る・残す・貸すの考え方
また、実家を残す方向で考えている人は、こちらでメリットと負担を比較できます。
▶ 実家を残すメリット・デメリットとは?後悔しないための5つの判断基準
よくある質問|実家の固定資産税で迷いやすいこと
Q1.誰も住んでいない実家でも固定資産税はかかる?
はい。原則として、誰も住んでいなくても所有している土地・家屋には固定資産税がかかります。住宅用地の特例が適用されるかどうかは、建物の状態や利用実態などによって判断されます。
Q2.築50年の古い家なら固定資産税はかからない?
いいえ。築年数が古くても、家屋に評価額が残っていれば課税されることがあります。また、土地への固定資産税は別に考える必要があります。建物の評価額は単純に築年数だけで決まりません。
Q3.親名義の固定資産税を子どもが払ってもいい?
家族が代わりに納付すること自体は可能ですが、子どもが払ったから納税義務者の名義が変わるわけではありません。 誰が実際に費用を負担するかは家族内で整理し、贈与など個別の税務問題が心配な場合は専門家に確認してください。
Q4.兄弟姉妹で相続したら、固定資産税は半分ずつ?
家族内で折半する取り決めはできます。ただし、共有の相続人には連帯納税義務が生じる場合があるため、自治体への納税義務と家族内の精算割合は別です。代表者だけが法的な納税義務を負うとも限りません。
Q5.実家を解体したら、固定資産税はいつから変わる?
固定資産税は、原則として毎年1月1日時点の状態を基準に、その年度の税額が決まります。例えば2026年中に解体し、2027年1月1日時点で建物が存在しなければ、2027年度の家屋課税や土地の住宅用地特例の扱いが変わる可能性があります。解体前に自治体へ確認しましょう。
Q6.固定資産税評価額が1,000万円なら、実家も1,000万円で売れる?
いいえ。固定資産税評価額は課税のための評価で、不動産会社の査定額や実際の売買価格とは異なります。売却を検討するなら、物件の状況や地域の需要を踏まえて別に価格の目安を確認する必要があります。
Q7.納税通知書をなくした場合は?
不動産の所在する市区町村に、必要な情報を確認できる証明書や名寄帳の取得方法を相談してください。納税通知書自体を再発行しない自治体もあります。申請できる人や必要書類も自治体ごとに確認します。
判断に迷っている方へ|実家の費用と使い道を一度整理する
固定資産税の金額が分かったら、次は「誰が管理するのか」「何年維持できそうか」「家族はどうしたいか」を考える段階です。
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また、売る可能性もあるなら、複数社の査定結果を比較して売却価格の目安を把握する方法があります。査定額は売却保証額ではないため、固定資産税の負担と比較するときも慎重に判断しましょう。
※連絡方法の希望を記載できる場合でも、希望どおりにならず電話連絡が入ることがあります。
※査定したからといって売る必要は一切ありません
※合わない会社は断ってOKです
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次に読む記事
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- 実家を残すメリット・デメリットとは?後悔しないための5つの判断基準:持ち続ける選択を検討したい人向け。
まとめ|固定資産税を数字で把握し、実家の将来を考えよう
実家の固定資産税は、築年数や地域のイメージだけでは分かりません。最も確実な出発点は、納税通知書で年税額を確認し、課税明細書で土地と家屋の内訳を調べることです。
そのうえで、住宅用地の特例、空き家や解体による変化、相続人の納税義務を整理しましょう。空き家になっただけで自動的に税金が6倍になるわけではありません。
税金の負担は、実家を残す・売る・貸すを選ぶための一つの判断材料です。家族の使い道と維持費を合わせて考え、必要であれば売却価格の目安も確認してください。
※連絡方法の希望を記載できる場合でも、希望どおりにならず電話連絡が入ることがあります。
※査定したからといって売る必要は一切ありません
※合わない会社は断ってOKです
実際に物件を保有・運用してきた立場から整理しています。

